■19世紀 湿板・乾板時代のカメラ
●湿板カメラ
「シャンブル オートマチック」 1860(万延元)年頃 アドルフ・ベルチュ(フランス) ★写真
60×60ミリの画面サイズを持つ真鍮製ボディの湿板用カメラ。カメラを取り出して被写体に向ければすぐに撮影できる速写性の高さをアピールするため「オートマチック」と命名されている。
●乾板カメラ
「アカデミー1号」 1882(明治15)年 マリオン(イギリス)
撮影機構の上に焦点調節用のレンズを乗せた「二眼カメラ」。複数の画面サイズを持つ機種が用意されていたが、最も小さいものとして30×30ミリの製品があった。
「ポケットブックカメラ」 1888(明治21)年 設計:クリューゲナー博士 販売:ハークス&アルバース(ドイツ)
ハードカバーの書籍を模した偽装カメラ。40×40ミリの乾板を24枚収納して連続的な撮影が可能。
■20世紀 ロールフィルム以降のカメラ
●二眼レフカメラ
「ローライフレックス」 1929(昭和4)年 フランケ&ハイデッケ(ドイツ) ★写真
同社が発売していたステレオカメラの「ローライドスコープ」を基にした製品。その後の「金属製精密二眼レフカメラ」の形態を確立するとともに後継モデルで機能の高度化を図り大きく発展した。最初のモデルは117フィルムで画面サイズ60×60ミリだが、後に127フィルムを使用して40×40ミリの画面サイズで撮影を行う製品も発売された。
「ローライフレックス4×4」 1956(昭和31)年 フランケ&ハイデッケ(西ドイツ)
アメリカ市場で35ミリスライドマウントの画面枠を拡大して40×40ミリのフィルムを上映できるようにした「スーパースライド」が人気を集めた際に登場した製品。127フィルム使用。外装色にライトグレーを採用し、従来発売していた製品の機構を一新した。以降も1960年代半ばに至るまでボックスカメラや日本製の二眼レフカメラなど多数の40×40ミリ用カメラが発売された。
●スプリングカメラ
「スーパーイコンタ 530/16」 1935(昭和10)年 ツァイス・イコン(ドイツ)
独自のプリズムを使用した連動距離計を備えるスプリングカメラ。120フィルムを使用し画面サイズは60×60ミリ。翌年には目測式の普及タイプとなる「イコンタ」が発売されたほか、電気露出計を備えたモデルなどシリーズ展開が行われた。
●中判一眼レフカメラ
「ハッセルブラッド 500C」 1957(昭和32)年 ビクター・ハッセルブラッド(スウェーデン) ★写真
画面サイズ60×60ミリのレンズシャッター式一眼レフカメラ。ファインダーやフィルムマガジンなどの撮影アクセサリーが数多く用意されプロ向け中判一眼レフカメラとして不動の位置を占めた。シャッター速度は最速1/500秒。
●35ミリカメラ
「ロボット」 1934(昭和9)年 オットー・ベルニング(ドイツ)
スプリングモーター(ゼンマイ)による自動巻上げ機構とシャッターチャージ機構により連続撮影が可能な製品。産業、科学分野の記録用カメラとして独自の存在を示した。35ミリフィルムを使用して24×24ミリの画面サイズで撮影を行う。
「スタート35」 1950(昭和25)年 一光社(日本)
無孔の35ミリフィルムに裏紙を巻きこんだ画面サイズ24×24ミリの「ボルタ判」フィルムを使用するカメラ。後継機や類型機を含めて入門用の製品として1950年代に広く普及した。
「マミヤスケッチ」 1959(昭和34)年 マミヤ光機(日本)
135フィルムを使用する画面サイズ24×24ミリの透視ファインダーカメラ。当初は画面サイズ公称18×24ミリの「ハーフサイズ」で設計されていたが、販売先からの意向で設計変更したとされる。
●超小型偽装カメラ
「エコーエイト」 1951(昭和26)年 鈴木光学(日本)
オイルライターと画面サイズ6×6ミリの極小型カメラを複合させた製品。感光材料は16ミリフィルムを半分の幅に切断して使用する。発売後に映画「ローマの休日」内で使用されて話題を集め、普及型の「カメラライト」などいくつかのモデルが発売された。
●126カートリッジフィルムカメラ
「コダック インスタマチックシステム」 1963(昭和38)年〜 イーストマン・コダック(アメリカ)
巻き戻し不要のカートリッジフィルムを使用して感度設定の自動化とフィルム装填を容易にしたシステム。28×28ミリの画面サイズを持つ「126フィルム」を使用する。主な製品に「コダック インスタマチック100」(1963)など。撮影に至る手軽さが市場の支持を受けて広く普及し、1972(昭和47)年にはコンセプトを継承して小型化を図った「ポケットインスタマチック(110フィルム)」へ発展した。また1964(昭和39)年に西ドイツのアグフアが対抗して「ラピッドシステム」をスタートしたが広く普及せずに短期で製品展開が終了した。
●インスタントカメラ
「ポラロイドSX-70 システム」 1972(昭和47)年〜 ポラロイド(アメリカ)
それまでのインスタント写真とは異なる「モノシート(自己現像)」方式を採用したシステム。画面サイズは約80ミリ角(77×79ミリ)を採用。主な製品に「ポラロイドSX-70 ランドカメラ」(1972)など。1980年代に入ると規格はそのままに感度を向上させた「600シリーズ」に発展した。
●トイカメラ
「ブラックバード・フライ」 2008(平成20)年 パワーショベル(日本)
中判二眼レフカメラのイメージを生かした「トイカメラ」。135フィルムのパーフォレーション部分を含む34×36ミリの画面サイズを持ち、画面マスク使用により24×36ミリと24×24ミリで使用可能。
●デジタルカメラ
「リコー キャプリオGX100」 2007(平成19)年 リコー(日本)
アスペクト比1:1の画面サイズを選択できるデジタルカメラ。また可動式のEVF(電子ビューファインダー)に対応しており、ウエストレベルで使用することで往年の二眼レフカメラのイメージを狙っている。アスペクト比1:1モードは後継モデルおよび類縁モデルとなる「GR DIGITAL」シリーズにも反映された。