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若松 豊光 作品展

「百花 誰が為にか開く」

若松豊光



 JCIIフォトサロンでは、来る2010年6月1日(火)から6月27日(日)まで、若松豊光作品展「百花 誰が為にか開く」を開催いたします。

 若松豊光氏は、若い頃から写真を趣味とし、昭和30年代にはアマチュア団体に所属し本格的に写真作品の制作に取り組んでいきました。昭和40年代から50年代には、伝統ある芸術写真同人誌『光大』誌で多数の作品を発表しています。
今回の展示は、写真集「百花 誰が為にか開く」(能登印刷出版部)の中から選りすぐった作品を若松氏の心血を注いだオリジナルプリントでご覧いただきます。若松氏が長年居住していた台東区上野界隈、旅行先の里山や水辺、そして、外国の街角などをやわらかな感性でとらえ、自然の情趣を繊細に表現しています。

 何気ない日常や身近な自然に美を見出し、実景を写し取りながらソフトフォーカスの中に夢幻を表す若松氏の表現は、大正末期から続く「ベス単派」の流れを汲むものです。表現を求めてやまぬアマチュアならではの喜びが湛えられたこうした作品こそ、写真を愛するものたちの分身と言えるでしょう。

 また、オリジナルプリントだからこそ感じることのできる若松氏の細やかなこだわり、作品の手触りも本展示の魅力のひとつです。過ぎし日々を懐かしく呼び起こす、温かい作品群(モノクロ約60点)をご覧いただきます。

参考
「ベス単派」とは
「ベス単」は、イーストマン・コダック社(アメリカ)が1912年に発売した「ベスト・ポケット・コダックカメラ 単玉レンズ付き」の略称。世界中で写真の大衆化に貢献した歴史的なカメラである。レンズ部のフードをわざと外し、単玉特有の収差を利用したソフトフォーカス写真が、大正末期から昭和初期の日本のアマチュア写真家たちに愛された。「ベス単派」とは、ベス単を使って自然観照を作品の主眼とするアマチュア写真家のこと。


若松 豊光  Wakamatu Toyomitsu

明治41年北海道生まれ。5歳の時に家族で上京、上野に住む。昭和8年に家業の工務店を継ぐ。昭和30年代、谷川北雨氏との出会いからベス単を手にする。「極光会」に所属し作品を生み出す。以後、季刊写真集「光大」に作品を発表する。享年85歳。



 
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