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堀市郎・前田寅次作品展

―Japanese Photographers in America 1910-1930 ―


堀 市郎 「野口英世夫人」 1912-1927年頃



前田寅次 「悪魔の池」 1925年頃

 

 JCIIフォトサロンでは、来る2012年12月4日(火)〜12月25日(火)まで堀市郎・前田寅次作品展 ―Japanese Photographers in America 1910-1930 ―を開催いたします。

 明治末期から昭和初期にあたる1900年代〜1930年代のアメリカに住み、技術を磨きながら写真表現と取り組んだ、二人の日本人写真家のオリジナルプリント*1展です。

  ニューヨーク在住の堀市郎は写真館で肖像写真に励み、ロサンゼルス在住の前田寅次は国際サロン*2への応募を重ねました。大陸の東西でそれぞれに力を尽くした彼らの作品は、日本写真界のリーダーであった福原信三*3 によって母国へも紹介されました。

 今回は、堀市郎による「野口英世夫人」「早川雪洲(俳優)」「東郷平八郎(元帥海軍大将)」「新渡戸稲造(教育者)」などの肖像写真、前田寅次による静物、風景などを写した各国国際サロン入選作を中心に展示します。

 現在は知られざる作家となっている堀、前田の作品は、大戦間の写真芸術における世界潮流をも示しています。セピア色の流麗なオリジナルプリントの世界をぜひお楽しみください。

 

*1 オリジナルプリントとは、作者自身が制作したプリント作品
*2 国際サロンとは、芸術性の高い作品を国際公募する展覧会。
*3 福原信三 (1883-1948)1910年コロンビア大学薬学部卒業。欧米にて見聞を深めて1913年に帰国。家業である銀座・資生堂に化粧品部を新設するなど経営に携わる傍ら、1921年に「写真芸術社」を、1924年に「日本写真会」を創設し、同会会長として日本の芸術写真を牽引した。


★作品展にともない、会期中の12月16日(日)に
トークショー「ピクトリアリズム―ポートレートと国際写真サロン」 金子隆一氏 + 白山眞理 を開催致します。是非ご参加ください! ←終了いたしました


堀 市郎 (ほり いちろう 、1879-1969)

島根県嶋根郡外中原村(現・松江市外中原町)に生まれる。松江市尋常小学校卒業後、同市の森田写真館に入門。1897年に上京して、神田淡路町の江木写真店に入社。1901年に22歳で写真修行のためサンフランシスコに渡り、セントルイスを経て、1912年には33歳にしてニューヨーク五番街に自らの写真館を立ち上げる。貴顕のポートレートや舞台写真を撮影し、作品を『Vogue』などに寄稿する一方、国立デザインアカデミーに学んで精密肖像画を描いた。1929年、世界周遊を経て50歳で帰国。その後は画家となり、在米中に深い親交を結んだ野口英世(医学者)や福原信三(資生堂社長、日本写真会会長)、ジェームズ・C・ヘボン(明治学院創設者、ヘボン式ローマ字創始者)らの肖像画を描いた。1937年にはダゲレオタイプ発明百年祭にて写真功労者として表彰された。


前田 寅次 (まえだ とらじ、MAYEDA Harry Torazi 、1875-1935)

高知県長岡郡十市村(現・高知県南国市十市)に生まれる。両親と共に北海道へ移住して農園開拓に携わる。
1901年に26歳で単身渡米。在米中の生活は詳らかでないが、ロサンゼルスで居住していたアパートの管理業務に就いていたことが1918年の国勢調査登録票に記されており、転居した1926年頃まで続けたと推察される。傍ら、写真作品制作に取り組み、1924年頃より写真展への応募を始める。1926年、51歳でロサンゼルス在住日本人写真家の集う「Japanese Camera Pictorialists of California」の創立委員となり、60歳で没するまで米国、英国、フランスなどで開催の国際写真展多数に作品を寄せた。作品裏の署名は「Torazi Harry Mayeda」。New Orleans Museum of Artに作品収蔵。

 

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