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林義勝作品展
「中村勘三郎 ―1975〜1982―」


1975年/楽屋にて    林 義勝



 JCIIフォトサロンでは、来る2013年1月7日(月)〜2月3日(日)まで、林義勝作品展「中村勘三郎―1975〜1982―」を開催いたします。

 林氏は、1950年に日本を代表する写真家・林忠彦氏の四男として東京に生まれました。1973年に、東京綜合写真専門学校を卒業するとフリーとなり、翌年の74年には昭和を代表する著名人を写した『ちょっと失礼 芸能人100人の顔』を開催しました。そこから、一人の人をじっくり撮りたいと、今回の被写体である同世代の歌舞伎役者・中村勘九郎氏を撮るようになりました。そして、二年後の1977年に写真展「中村勘九郎」を開催し、その後も「十二支伝説」、「新シルクロード」、「観世榮夫の世界」など数々の作品を国内外で発表し続けています。

 今回の作品展は、「中村勘三郎―1975〜1982―」と題して、林氏が1975年から7年間の歳月をかけ、勘九郎時代の現十八代目中村勘三郎を追いかけ、舞台写真を中心に、楽屋で寛ぐ姿など近しい者にしか見せない貴重な表情をも含めた作品をご覧いただきます。
林氏と勘三郎氏が初めて出会ったのは、勘三郎氏が19歳の頃でした。勘三郎氏との出会いがきっかけとなって歌舞伎に魅せられた林氏は、歌舞伎の舞台だけではなく他の舞台やテレビに出演する際も追いかけて撮影していたといいます。二人は年齢が近く、写真家・林忠彦、十七代目中村勘三郎という偉大な父親を持つ者同士、師でもある父親を超えようと誓い合ったそうです。7年間の間に演じる側も写す側も様々なことを吸収し、お互いに切磋琢磨しながら過ごしていた様子が窺えます。

 舞台写真では「義経千本桜」、「越後獅子」、「春(しゅん)興(きょう)鏡獅子」、「連獅子」、「夏祭(なつまつり)浪花(なにわ)鑑(かがみ)」などの舞台を中心に、楽屋で化粧する様子や稽古風景、集中した眼差しで舞台ソデに佇む様子など、若くから大人の世界で厳しい稽古に耐え、歌舞伎役者として活躍してきた凛々しい面持ちを見てとれます。また、女形としても活躍する勘三郎氏の麗しい艶やかな姿や、獅子になり生き生きと舞う荒々しい姿など様々な表情も、林氏は余すところなく写し出しています。そして普段見せることのない若者らしいプライベートでの姿や、「平成中村座」での現勘九郎氏との親子共演など未発表の作品も数多く展示いたします。

 先代の勘三郎から現勘三郎、現勘九郎までの三代に渡って撮影し続けている林氏ならではの、煌びやかで鮮やかな世界を垣間見ることができる作品群です。

 


   
林 義勝(はやし よしかつ)

1950年、林忠彦の四男として東京に生まれる。人物写真を主体とし、エディトリアルの分野でも活躍する一方、テーマ写真を得意とし、現在、歴史的背景を織り込んだ日本の原風景および「能」「龍」などの撮影に取り組む。1988年から2年間林忠彦の「東海道」の撮影に同行。
日本写真家協会会員、林義勝事務所・林忠彦作品研究室代表、財団法人観世文庫評議員。
主な写真展に、1974年「ちょっと失礼 芸能人100人の顔」、1977年「中村勘九郎」、1993年〜96年「十二支伝説」(ニューヨーク、シンガポール、マレーシア、台湾などを巡回)、2007年「新シルクロード」、2010年「ゆずり葉」、2012年 「―ちょっと失礼―芸能人100人の顔より ’69-’75」(JCIIフォトサロン)など国内外での写真展多数開催。

主な写真集に、「瀬戸内寂聴さんと訪れる京の茶室」(林忠彦共著)、「十二支伝説」、「幽―観世榮夫の世界」(共著)、「龍伝説」、「観世宗家能面」(共著)、「新シルクロード」(共著)、「東海道の旅」(林忠彦共著)などがある。

 


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