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宅島正二作品展

「軍艦島1974

−緑なき島を去る人々 その時−」

軍艦島落日  宅島 正二

 
 JCIIフォトサロンでは、来る2014年4月1日(火)から4月27日(日)まで、宅島正二作品展「軍艦島1974−緑なき島を去る人々 その時−」を開催いたします。

 宅島氏は、1947年に長崎県に生まれます。高校卒業後、船乗りの仕事に就き世界各地を巡る中、写真好きな船乗り仲間の影響を受け、写真を学びたいと思うようになったそうです。貯めたお金で写真の学校に通い、卒業後写真家の宮崎進氏に師事し、フリーランスになりました。独立後は自身のスタジオを設立し、長きにわたり商業写真家として活動してきました。

 今回の作品展は、「軍艦島1974−緑なき島を去る人々 その時−」と題して、炭鉱として栄えた軍艦島が閉山となり、無人島になる直前の離島していく住民の様子や風景を写し出した作品をご覧いただきます。

 軍艦島は長崎県にある端島という島の俗称で、鉄筋の建造物が林立するその島影が、戦艦「土佐」に似ていることからその名がつけられました。また、島の大半が人工地盤の上に成り立っているため、植物がほとんど存在せず「緑なき島」とも言われていました。良質な強粘炭が採れることから、多くの炭坑夫とその家族が島に移り住み、最盛期には、全長が約1200メートルと小さな島に、5200人もの人が暮らしていました。これは、現在の東京の人口密度の約6倍といわれています。必然的に居住空間は高層化し、日本で初となる鉄筋コンクリート造の集合住宅をはじめ、高層アパートが隙間なく建設され、学校や商店、病院のほかに映画館やパチンコ店等の娯楽施設まで存在し、ほぼ完結した都市機能を備えていました。また、炭坑夫の社宅のような島だったため、島民の共同体意識はきわめて高く、密なコミュニケーションがとられていたようです。

 1960年以降、主要エネルギーが石油へ移行した事により炭鉱は衰退していき、1974年1月、正式に閉山となりました。同年4月20日、商船定期便が廃止されたと同時に全住民が退去。以来40年間、軍艦島は無人の廃墟となります。現在では、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の一部として、世界文化遺産への正式推薦が決定されています。

 氏が撮影に出掛けたのは、閉山して2ヶ月後の事でした。島に着くとすでに多くの人々が去った後で、かつて繁栄していたとは思えないほどに、人影も少なくなっていました。高々と建ち並ぶコンクリートのアパートには、まだ生活のにおいが残り、かつて多くの炭坑夫が往来したであろう炭鉱所は、その風貌だけを残し静まり返っていました。不要になった家財道具は雑然と置かれ、地面に乱雑する段ボールの山は、全島民が退去しなければならない事の物悲しさを感じさせます。そのような中、無邪気に遊ぶ子供達の姿や残されたわずかな時間を過ごす島民達の穏やかな表情は、人々が親密に過ごしてきたからこその温かみを感じさせ、時折見せる寂しげな表情は、島への深い愛情に満ち、より一層悲しみが増していきます。

 本土へ向かう船の中、我が子を抱きかかえ小さくなっていく島を見つめる女性は、何を思っているのでしょうか。閉山するまでの84年間、炭を掘り続け日本の近代化を支えた炭鉱。その小さな孤島で、島全体が家族のように支え合い共に暮らしていました。それぞれの思いを胸に、島を離れていく人々の姿が宅島氏の優しい眼差しによって捉えられています。

宅島 正二(たくしま しょうじ)

1947年長崎県生まれ。東京写真専門学院卒業後、日本写真家協会会員、宮崎進氏に師事。1978年フリーランス写真家として独立し、3年後スタジオ タクを設立。1983年日本写真家協会に入会、商業写真家として広告写真を撮影。

1991年日本写真家著作権協会の理事を務め、著作権啓発活動を歴任する。日本写真家ユニオン創立メンバー。

1998年から日本ボート協会広報部スタッフとしてボート競技の撮影を始め、現在も続けている。

おもな受賞歴に、北海道新聞社賞 (株式会社アイドマ 制作) 、日本フラワーデザイナー協会フォトグラファー賞、APA展入選、毎日広告賞入選などがある。

 

タイトル

宅島正二作品展 「軍艦島1974−緑なき島を去る人々 その時−」

開催期間

2014年4月1日(火)〜4月27日(日)

展示内容

「軍艦島1974−緑なき島を去る人々 その時−」と題し、炭鉱として栄えた軍艦島が閉山となり、無人島になる直前の離島していく住民の様子や風景を写し出した作品をご覧いただく。

氏が撮影に出掛けたのは、閉山から2カ月後の事だった。すでに多くの人々が島を去り、雑然と置かれた家財道具や段ボールの山は、全島民が退去しなければならない事の物悲しさを感じさせる。そのような中、無邪気に遊ぶ子供たちの姿や、残されたわずかな時間を過ごす島民達の穏やかな表情に、人々が親密に過ごしてきた島ならではの温かみを感じることができる。閉山するまでの84年間、炭を掘り続け日本の近代化を支えた炭鉱。その小さな孤島で、島全体が家族のように暮らしていた。

それぞれの思いを胸に、島を離れていく人々の姿が宅島氏の優しい眼差しによって捉えられた作品約80点(全作品モノクロ)を展示。

展示点数

約80点 (全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

開館時間

10:00〜17:00

休館日

毎週月曜日(ただし、祝日の場合は開館)

入館料

無料

所在地

102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル1階

交通機関

  • 東京メトロ半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • 東京メトロ有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • 都営バス「都03 グリーンライン(四谷駅=半蔵門=日比谷=銀座四=晴海埠頭)」半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

* 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮くださいませ。
* JR東京駅からは、東京メトロ
丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。

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