写真展

渡辺良正作品展「沖縄先島の祭りと風土」

開催期間:2003年7月1日(火)2003年7月27日(日)
人頭税石
琉球藩の時代、この石より背が伸びると一人前の税が課せられたと言われる。
平良市 1969年8月

 JCIIフォトサロンでは、7月1日(火)から7月27日(日)まで、渡辺良正作品展「沖縄先島の祭りと風土」を開催いたします。

 渡辺氏が先島諸島を初めて訪れたのは1959年のことでした。それから1969年、70年と取材撮影し、祭りを中心に風土、生活を記録しました。先島諸島とは、沖縄の宮古・八重山を中心とする島々の呼称です。沖縄本島からさらに南へ300キロ離れたところに位置しているために戦時中も攻撃を受けず、島独自の生活と文化、そして信仰を守り続けてきました。しかし1972年本土に復帰すると、資本主義経済に組み込まれて観光地として栄えはじめ、人々の生活環境も一変しました。それまでの神々が生活に息づいていた時代はなくなり、氏の撮影した写真が失われていった当時の面影や人々の信仰と生活を語り継いでいます。

 今回の作品展では、1969年から70年の宮古、石垣、竹富、与那国などの沖縄先島の祭りと風土、生活をとらえたモノクロ写真作品約80点を展示します。ツカサと呼ばれる女たちが、島の安全を祈る「うやがんまつり」で神歌を歌う様子、「ンナフカまつり」で神懸りする様子、それを見守る村の人々。「ムシャーマ(豊年祭)」でミロク神を先頭に祭場に向かう子どもたち、お盆の夜の「あんがま」で、仮装した祖霊と戯れる子どもたち。琉球藩の時代、その石より背が高くなると一人前の税が課せられたと言い伝えられる「人頭税石」。島が珊瑚礁でできているため畑には岩が多く、それを鍬で砕いて開拓する農夫。朝、家族総出で島唯一の換金作物であるさとうきび畑に向かう様子など、自らの意志で伝統を守り、純朴に、たくましく生きる人間本来の姿が写し出されています。


渡辺 良正(わたなべ よしまさ)
1933年福岡県久留米市生まれ。1964~66年毎日新聞東京本社出版写真部勤務を経てフリーになる。1964年国連統治下のサイパン、ヤップ、パラオ取材。1967年インド、トルコやイタリア、ポルトガル、スペインなどの欧州を取材。1970年ニューギニア、ラバウル、ガダルカナル、オーストラリア取材。1979年バリ島取材。海外ドキュメントをフォトストーリーにして、毎日グラフ、サンデー毎日、カメラ毎日、太陽、文芸春秋、婦人公論などに発表。1965年より日本国内の祭り、神事芸能、民俗を集中取材、現在に至る。日本写真家協会会員、民俗芸能学会評議員、儀礼文化学会会員。主な写真展に、1987年「神々の夜・日向の神楽」(東京、名古屋、大阪・コニカフォトギャラリー)、1989年「遠山祭り」(東京、名古屋、大阪・コニカフォトギャラリー)など多数。主な写真集・著書に、『日本の祭り・山車と屋台』『沖縄先島の世界』『椎葉神楽』『民俗の神』『祭りと神々の世界』など多数。

 


タイトル

渡辺良正作品展「沖縄先島の祭りと風土」

開催期間

2003年7月1日(火)~ 7月27日(日)

展示内容

1969年から70年の宮古、石垣、竹富、与那国などの沖縄先島の祭りと風土、生活をとらえたモノクロ写真作品、約80点。
ツカサと呼ばれる女たちが、島の安全を祈る「うやがんまつり」で神歌を歌う様子、「ンナフカまつり」で神懸りする様子、それを見守る村の人々。「ムシャーマ(豊年祭)」でミロク神を先頭に祭場に向かう子どもたち、お盆の夜の「あんがま」で、仮装した祖霊と戯れる子どもたち。琉球藩の時代、その石より背が高くなると一人前の税が課せられたと言い伝えられる「人頭税石」。島が珊瑚礁でできているため畑には岩が多く、それを鍬で砕いて開拓する農夫。朝、家族総出で島唯一の換金作物であるさとうきび畑に向かう様子など、自らの意志で伝統を守り、純朴に、たくましく生きる人間本来の姿が写し出されている。

展示点数

約80点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(ただし、祝日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。