写真展

渡辺 淳の世界 ―スケッチ・静物・広告・報道―

開催期間:2014年12月2日(火)2014年12月24日(水)
無題(裸婦と果物) 1926年

 JCIIフォトサロンでは、来る2014年12月2日(火)から12月24日(水)まで「渡辺淳の世界―スケッチ・静物・広告・報道―」を開催いたします。

 写真に親しみ作品制作に励んでいた渡辺氏は、1924(大正13)年に『芸術写真研究』(~1970年終刊)誌を主宰する中島謙吉氏と出会い、同誌を舞台に活躍します。ソフトフォーカスレンズを使ってスケッチするように写した<水浴>(1925年)や、プリント時に印画紙をたわませる「デフォルマシオン」で制作した<楽器を持てる人物>(1927年)など、技法を駆使して詩的な作品を創りあげました。

 自らの表現としての制作に励む傍ら、1927年頃には写真通信社「ジー・チー・サン商会」に入社し、広告写真や報道写真に携わりました。渡辺氏が手がけた仕事の写真については、これまであまり知られていません。

 今回は、ご遺族よりJCIIに託されたオリジナルプリントの中から、日本写真史上に高く位置づけられている1920年代から1930年代の芸術写真、1930年代の広告写真コンテストで入賞した商業写真、報道のために艦上で撮影した昭和天皇の写真、自然に親しむ情景や静物など1980年代までの作品を展示します。芸術写真に独自の境地を開いて日本写真史上に名高い渡辺氏の、公私における写真世界を概観する初めての展覧会です。

★作品展にともない、会期中の12月7日(日)に 飯沢耕太郎 +白山眞理 トークショー“渡辺 淳の世界―スケッチ・静物・広告・報道―” を開催致します。是非ご参加ください!

 

渡辺 淳(わたなべ じゅん、1897-1990)

1897年  6月16日、千葉県に生まれる。
中学校の頃、写真を覚えて引伸しの面白さを知る。卒業後、東京や英領シンガポールの写真館に勤めて、インドを経て帰国。
1924年  『芸術写真研究』主宰の中島謙吉と出会って作品を寄稿するようになる(1970年の終刊まで継続)。
1927年頃 写真通信社ジー・チー・サン商会(東京)に入社。
1928年  「日本光画協会」(~1934年頃)が創設されて主要作家として活躍。
1932年頃 ジー・チー・サン商会大阪支社勤務となり広告写真などで活躍。
1939年頃 東京のジー・チー・サン商会に戻り、終戦まで勤務。
1945年  サン・ニュース・フォトスに入社。
1947年頃 再興されたジー・チー・サンに移ってコマーシャル写真に携わる。
1957年  日本短波放送嘱託(写真班)となる。
1972年  『芸術写真研究』後継誌の『光大』創刊同人となり、編集兼発行人を終生務める。
1990年  9月11日、逝去。享年93歳。
著作:『複写と接写の実技』(光大社、1941年)、渡辺淳写真画集(渡辺淳写真工房、1971年)。


タイトル

渡辺 淳の世界 ―スケッチ・静物・広告・報道―

開催期間

2014年12月2日(火)~12月24日(水)

展示内容

1920年代から1980年代までに渡辺淳が制作した芸術、広告、報道写真(約110点、全てモノクロ)。
<水浴>(1925年)などのソフトフォーカス作品、デフォルマシオンによる<楽器を持てる人物>(1927年)、第三回日本写真美術展覧会推薦作品<静物(果実の図)>(1928年)などの詩的芸術作品と、身辺を写したスケッチ写真など。また、1930年代の清新な広告写真(12点)や、艦上で撮影した昭和天皇の写真(1点)も展示。

JCIIフォトサロン   1920年代の芸術写真、報道のために撮影した昭和天皇の写真、
戦前・戦後に身辺を写したスケッチ写真など約60点を展示。

JCIIクラブ251930年代の清新な広告写真、洗練された静物写真など戦前・戦後の作品約50点と資料を展示。

展示点数

約110点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。