JCIIライブラリー

『写真工業』と日本製カメラの半世紀

開催期間:2017年11月28日(火)2017年12月25日(月)

日本カメラ博物館 JCIIライブラリー収蔵資料展

JCIIビル地下1階 JCIIクラブ25にて展示
ギャラリートークも開催

ライブラリー展示
月刊『写真工業』各号
(前列)1952年6月創刊号
(後列左から)1961年11月号・1972年1月号
・1990年9月号・2008年12月休刊号

写真雑誌『光画月刊』の編集長であった北野邦雄は、1951年に西ドイツの写真・映画見本市「フォトキナ」を視察しました。その際にカメラメカニズム専門雑誌の存在を知り、日本でも技術者などが見聞や研究成果を発表する場が必要と考え、1952年6月に『写真工業』を創刊しました。日本のカメラ産業が急成長する時代に、同誌は海外情報速報や、輸出を重視する日本製カメラに機構やデザインの独創性を訴える提言などを行い、学会誌や趣味誌とは異なる独自の立場を築きました。

1960年末、北野は突如『写真工業』の廃刊を決めましたが、読者の強い要望を受けて「写真工業出版社」が発足し続刊されました。以降もカメラ機構に自動露出(AE)や電子シャッターなどが実用化され、それらを積極的に採用した日本製カメラが世界の頂点に至るなか、新型カメラの技術資料・新しい感光材料・光学情報理論などの広い分野において、新鮮な知識と情報を発信し続けました。

1970年代には、カラー写真の急発展に伴い「写真化学」の分野にも重点を置きました。さらに1980年代にはオートフォーカスカメラの実用化、1990年代にはデジタルカメラの誕生と発展など、進歩の糧となる先端技術を積極的に紹介、解説しました。2002年からは銀塩写真とカメラ、レンズを主題として、写真愛好者の様々な知見や関連情報を発信していましたが、2008年12月号で休刊しました。

本展示では、日本独自のカメラ・写真産業を築くのに必要な情報と研究成果を提供する役割を、半世紀以上にわたり果たし続けてきたカメラ専門誌『写真工業』のあゆみと功績について、実物誌や関連資料などを交えて展示・紹介します。

また展示期間中には、12月2日(土)に午後2時より市川泰憲(元『写真工業』編集長・日本カメラ博物館運営委員)、12月12、19日(火)午後2時より担当学芸員によるギャラリートークを開催いたします。


※今回の展示内容を収めた図録を制作し、JCIIフォトサロンにて販売いたします。


タイトル

日本カメラ博物館 JCIIライブラリー収蔵資料展
『写真工業』と日本製カメラの半世紀

開催期間

2017年11月28日(火)~12月25日(月)

展示概要

1952年から2008年まで半世紀以上にわたって、日本のカメラ・写真産業発展に必要な情報と研究成果を提供する役割を果たした雑誌『写真工業』について、実物誌や関連資料を交えて紹介、解説。
主催:一般財団法人 日本カメラ財団
協力:株式会社 写真工業出版社

関連イベント
  • ギャラリートークを開催
  • 12月2日(土)午後2時~
    市川泰憲(元『写真工業』編集長・日本カメラ博物館運営委員)による解説
  • 12月12、19日(火)午後2時~
    担当学芸員による解説
開館時間

10:00~17:00

休館日

期間中無休

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。