写真展

中村太郎作品展「東京都青ケ島 1959」

開催期間:2000年9月5日(火)2000年10月1日(日)
神子の浦の玉石だらけの浜の子供たち

  JCIIフォトサロンでは、来る2000年9月5日(火)から10月1日(日)まで、中村太郎作品展「東京都青ケ島 1959」を開催します。

 主にドキュメント・フォトグラファーとして新聞や雑誌で活躍されている中村氏が、大学に在学中卒業制作のために青ケ島を訪れたのは1959(昭和34)年のことでした。青ケ島は、東京の南約360キロ、八丈島から約70キロに位置し、周囲は高さ100~200メートルの絶壁、平均風速10メートル近い風が吹きつづけ、過去には大噴火で多数の死傷者もだした火山島です。船舶やヘリコプターなどの交通手段や衛星放送や電話など通信も整備されている現在にくらべ、1956(昭和31)年までは日本で唯一選挙権を行使し得ない地域で、取材当時の1959(昭和34)年もまだ水道はなく水は天水が頼り、電気は一ヵ月前に公共施設に灯ったばかり。島外との交通は月一回東京からの船便だけで冬期は四ヵ月も欠便がつづく“東京都”のなかの孤島だったのです。

 しかし、島を守りつづけてきた大人たちや、貴重な労働力としてよく働き、遊ぶ子供たちは、経済的には恵まれなくとも明るく、たくましく生きていました。海や風、山という厳しい自然環境とともに培った強烈な歴史を持つ青ケ島の記録は、島国に生きる私たちに得も言えぬ感情を抱かせます。なぜならそこには、私たち日本人の心に訴えかける、厳しい自然とともに懸命に生きる人間からのメッセージが見事に表現されているからです。

 今回の作品展では、港のない島で激しく揺れるハシケから上陸する人々、赤ん坊を背負って絵本を読む少女、手製の手製の水中メガネ、ふんどしで泳ぐ少年の笑顔、酒づくりのための麦麹を臼と杵でつく子供たちなど、はつらつとした子供たちの姿や青ケ島独特の生活環境などを捉えた作品約100点(全作品モノクロ)を展示します。

 

中村 太郎(なかむら たろう)
1940年東京生まれ。1960年東京写真短期大学卒業、毎日新聞社写真部入社。出版写真部、写真部編集委員(日本報道写真連盟事務局長兼務)を経て、1997年4月よりフリーとなる。現在、日本写真協会会員、日本写真作家協会会員。’78年度東京写真記者協会賞、第1回、第3回、第11回日本雑誌写真記者協会賞受賞。写真集に「ポルトガル・夢紀行」「宮沢賢治-幻想紀行」「ねむの木のこどもたちとまり子さん」など。

 

タイトル

中村太郎作品展「東京都青ケ島 1959」

開催期間

2000年9月5日(火)~10月1日(日)

展示内容

港のない島で激しく揺れるハシケから上陸する人々、赤ん坊を背負って絵本を読む少女、手製の水中メガネとふんどし姿で泳ぐ少年の笑顔、酒作りの為の麦麹を臼と杵でつく子供たちなど、はつらつとした子供たちの笑顔や青ヶ島独特の生活環境を捉えた作品約100点(全作品モノクロ)を展示。

展示点数

約100点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。