写真展

水越武作品展「ヒマラヤ」

開催期間:2002年7月30日(火)2002年9月1日(日)
チュクン・カン

 JCIIフォトサロンでは、来る2002年7月30日(火)から9月1日(日)まで、水越武作品展「ヒマラヤ」を開催します。

 幼少の頃から自然と親しみ、数多くの登山を経験していた水越氏が写真を始めたのは27歳の頃で、その後マッキンレーをはじめ、カラコルム、ヒマラヤ、中国など人間の手に汚されていない太古の姿を残す山々に数多く遠征し、作品を撮り続けています。

 なかでもとりわけ氏の心に深く焼きつき、情熱を注いだのがヒマラヤでした。90パーセント以上の山は未踏峰、北、南極と並び、地球上で最も過酷な地域とされ、そこには普段我々が目にすることのできない豊かな自然が息づいています。果てしなく広大な雪原や、深く険しい山中での行動は想像を絶するほどの極限状態まで追い込まれることもあり、「永遠とか無限とかいった概念が見えてくるような錯覚をおぼえ、どこか知らない美しい天体に足を踏み入れ、さまよっているような気がした」(『HIMARAYA』講談社・1993年から)といいます。

 そのような条件下で生まれたモノクロの世界は、煩雑なものが一切排除され、人間の及ばぬ力によって彫刻されたディテールが客観的視点でとらえられており、闇黒の宇宙に浮かぶ恒星のようにもみえます。ヒマラヤをその足で、肌で直に感じ、ひるむことなく向き合う氏の写真行為は、自己の魂を磨き、ひいては地球というひとつの生命体の息吹を享受することでもあるのです。

 今回の作品展では、東西に2800キロ、平均高度4800メートル、6カ国にまたがり、世界最高峰サガルマータ(エヴェレスト・8848メートル)を含むヒマラヤの山々をとらえた作品約100点(全作品モノクロ)を展示します。人間を拒絶するほどの壮麗さでそびえたつ岩壁、猛吹雪に削られ、あでやかな模様を織り成す雪原、凛々しい光をかなでる稜線など、それぞれの山のもつ多彩な個性やヒマラヤの荘厳な空気感が見事に写し込まれており、観るものを天涯へと導きます。

 

水越 武(みずこし たけし)
1938年愛知県生まれ。1956年東京農業大学林学科に入学、のちに中退、1965年写真家田淵行男氏に師事。1973年はじめてヒマラヤの地に足を踏み入れ、その後日本での山岳撮影と平行して約20年間に12回ほど山行を果たす。1991年日本写真協会年度賞、1994年講談社出版文化賞、1999年第18回土門拳賞など多数受賞。主な写真集は、『槍・穂高』『白馬岳』『山の輪舞』『穂高 光と風』『日本アルプスの花』『森林限界』『日本の原生林』『雷鳥』『ブナ VIRGIN FOREST』『HIMALAYA』『森林列島』など多数。

 

タイトル

水越武作品展「ヒマラヤ」

開催期間

2002年7月30日(火)~9月1日(日)

展示内容

人間を拒絶するほどの壮麗さでそびえたつ岩壁、猛吹雪に削られ、あでやかな模様を織り成す雪原、凛々しい光をかなでる稜線など、東西に2800キロ、平均高度4800メートル、6カ国にまたがり、世界最高峰サガルマータ(エヴェレスト・8848メートル)を含むヒマラヤの山々をとらえた作品約100点(全作品モノクロ)を展示。

展示点数

約100点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。