写真展

北井一夫作品展「村へ」

開催期間:2005年9月27日(火)2005年10月30日(日)
1975年12月 千葉県印旛沼
(c)KAZUO KITAI

 JCIIフォトサロンでは、来る2005年9月27日(火)から10月30日(日)まで、北井一夫作品展「村へ」を開催いたします。

 北井氏は日本を代表するドキュメンタリー写真家です。日本大学芸術学部写真学科を中退する前後に第一次原潜闘争や日韓会談、日大闘争など、70年にむかっての緊迫した政治状況下での出来事をその肌で感じながら撮影をします。その後、成田空港建設に反対する地元農民たちの生活を捉えた『三里塚』では、農民の土に寄せる思いを彼らの日常の内に見つめ、同じ視点で写しとり、報道写真のリアリティーを過激な写真に求めていたマスコミや写真界に大きな衝撃を与えました。

 写真界の芥川賞ともいえる木村伊兵衛賞の第一回受賞作である「村へ」は、『アサヒカメラ』誌上で始めたシリーズで、北井氏が日本の農村を旅しながらその暮らしぶりを撮影した作品です。当初は1974年1月号から1年間の連載予定だったものが、好評を博し、引き続き「そして村へ」と4年にわたり掲載されました。

 「1970年代は、農業中心の村社会と人間関係が崩壊し、古き良き時代の日本が終わった時代でもあった」と後に語るように、若者は都市へと向い、老人と子どもが多く写された作品には最後の「村」の姿があらわれています。四季が織り成すやわらかな情景や太陽と共にいきる農民の息吹を淡々ととらえた氏のまなざし。70年代の日本には、誰もが思いをよせる「ふるさと」が確かに存在していました。

 今回の作品展では、柔らかい光がさしこむ浴場で湯につかる湯治客の男女、静かな川の流れに棹をさす舟の渡し守、田んぼと草むらに挟まれた村へ続く砂利道、作業のあいま焚火にあたり談笑する農婦、雪に閉ざされた中でも暖かな笑顔を見せて遊ぶ子どもたちなど約30点(全作品モノクロ)を展示します。

北井 一夫 (きたい かずお)
1944年中国鞍山生まれ。1965年日本大学芸術学部写真学科中退、同年写真集『抵抗』(未来社)を出版。成田空港建設に反対する農民を撮った『三里塚』(のら社)で日本写真協会新人賞受賞(1972年)。『アサヒカメラ』に連載した「村へ」で第一回木村伊兵衛賞受賞(1976年)。写真集に『境川の人々』(浦安町、1978年)『新世界物語』(現代書館、1981年)、『フナバシストーリー』(六興出版、1989年)、『1970年代 NIPPON』(冬青社、2001年)、『1990年代 北京』(冬青社、2004年)ほか多数。

タイトル

北井一夫作品展「村へ」

開催期間

2005年9月27日(火)~10月30日(日)

展示内容

今回の作品展では、柔らかい光がさしこむ浴場で湯につかる湯治客の男女、静かな川の流れに棹をさす舟の渡し守、田んぼと草むらに挟まれた村へ続く砂利道、作業のあいま焚火にあたり談笑する農婦、雪に閉ざされた中でも暖かな笑顔を見せる子どもたちなど約30点(全作品モノクロ)を展示します。

展示点数

約30点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。