写真展

中山 陽 作品展「断層―筑豊、この滅びざるもの―」

開催期間:2005年11月1日(火)2005年11月27日(日)
豊前炭鉱坑内で(昭和44年7月)

 JCIIフォトサロンでは、来る2005年11月1日(火)から11月27日(日)まで、中山陽作品展「断層」を開催いたします。

 筑豊炭田は福岡県旧遠賀(おんが)・鞍手(くらて)・嘉穂(かほ)・田川の四郡によって構成され、日本鉱業史の中でも古くから石炭が採掘されていました。昭和30年代以降のエネルギー革命による石炭産業の衰退で炭鉱が閉鎖を迎えるまで、筑前・豊前(筑豊)は日本が必要とする石炭エネルギーの半分以上を実に一世紀にわたって供給し続け、全国で最も活気のある地域でした。その一方で、炭坑での仕事は事故との戦いであり、不意の出水、ガス爆発、落盤、鉱車事故など、坑道が深くなるにつれて災害も多様化し、数知れない負傷者や死者を出しました。日本の近代化は地に這いながら働いた人々の労力の上に成り立っていたといえます。

 緊迫感が地域に連帯を生み、不慮の事故が起こっても皆で助け合う家族のような繋がりの中で、人々は生きている喜びを分かち合い、開放的で人情味のある筑豊独特の風土や人物像を作り上げました。中山氏は、一般的には暗く厳しい印象が付きまとう炭坑労働者の底力あふれる日常生活と筑豊のダイナミックで荒々しい風景を愛し、感性の命じるままに写真に収めてきました。炭坑の中や子どもたちの遊びの輪の中に入りこみ、多数の住民が炭鉱に関わって生きてきた筑豊という地域を独自の視点で表現しています。

 今回の作品展では、昭和31年から51年までに撮影した筑豊炭鉱をまとめた写真集『断層』の中から、炭にまみれ全身が黒光りした鉱員の逞しい姿、炭住の屋根越しに見えるボタ山、郊外の川で腰をかがめて炭を洗う女性たち、親の帰りを待ちながら遊ぶ子ども、落盤事故の知らせを受けて不安に慄く家族、そして炭鉱労働者が居なくなったあとモニュメントのように炭坑跡に残るコンクリート建築など約70点(全作品モノクロ)を展示します。

中山 陽 (なかやま あきら)
医師。昭和2年福岡県小郡市に生まれる。昭和26年、久留米医大(九州医専)卒。昭和29年、田川市で開業(内科 小児科)。昭和30年より写真制作活動に入る。昭和30~32年、福岡県展に連続3回入賞。昭和40年、二科展初入選。昭和44年、「日本カメラ」年度賞受賞。昭和44~47年、二科展連続入賞。昭和48年、会友推挙。昭和53年写真集『断層』、昭和58年写真集『筑豊残像』を出版。昭和58年、二科会会員推挙。現在、二科会写真部副委員長。

タイトル

中山陽作品展「断層」

開催期間

2005年11月1日(火)~11月27日(日)

展示内容

今回の作品展では、昭和31年から51年までに撮影した筑豊炭鉱をまとめた写真集『断層』の中から、炭にまみれ全身が黒光りした鉱員の逞しい姿、炭住の屋根越しに見えるボタ山、郊外の川で腰をかがめて炭を洗う女性たち、親の帰りを待ちながら遊ぶ子ども、落盤事故の知らせを受けて不安に慄く家族、そして炭鉱労働者が居なくなったあとモニュメントのように炭坑跡に残るコンクリート建築など約70点(全作品モノクロ)を展示します。

展示点数

約70点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。