写真展

幕末・明治・大正のレンズを使った娯楽「写し絵の世界と変り写真」

開催期間:2006年1月31日(火)2006年3月5日(日)
「写し絵」の道具一式

 JCIIフォトサロンでは、古写真シリーズの13回目として、来る2006年1月31日(火)から3月5日(日)まで、「幕末・明治・大正のレンズを使った娯楽 写し絵の世界と変り写真」を開催します。今回は、江戸時代に考案され人気を博した大衆娯楽である「写し絵」と、写真を使った装飾品やステレオ写真など、”物”として楽しむ「変り写真」の展示です。

 「写し絵」とは、江戸時代中期に初めて日本に輸入された「マジックランタン(幻燈機)」に日本人が改良を加えて生み出したもので、映像に語りと音曲を加えた、アニメーションの元祖のような芸能です。「写し絵」では、薄い和紙のスクリーンが用いられ、客席側ではなくスクリーンの裏側から、木製の軽い幻燈機(※当時日本では風呂桶に似ていたので”フロ風呂”と称した)を映し手が胸に抱えて、画像を投影します。客席からはスクリーンの裏側にいる映し手は見えないため、何台もの風呂から映し出された複数の画像を、スクリーン上で合成して上映することが可能でした。薄いガラス板に描画彩色された「タネイタ種板」には絵が動いて見えるようにからくりを施されたものも多くあり、この種板を風呂にセットし、当時はまだ電気が無かったためロウソクや油の灯りで、画像をスクリーンへ映し出しました。映し手は風呂を抱えて自由自在に動き回り、種板のからくりをあやつることで、人々を魅了する「写し絵」を創り出し、人気を博したのです。

 明治時代になると、絵ではなく写真が焼き付けられた種板である、単独の「スライド」と呼ばれる幻燈写真が輸入され、「写し絵」のように技術が無くても、誰もが簡単に上映することができるようになり、明治後期には家庭でも幻燈機を購入し、好きな「スライド」を集め、家の障子に映して楽しむようになりました。一方、「写真」は記録や記念といった概念からはみだし、装飾品や小物などのアクセントとして応用され、「一枚」でなく「ひとつ」の”物”へと進化し、本来の「写真」の意味とは別の形でも発展してゆきました。

 今回の展示では「写し絵」に用いられた用具一式を展示すると共に、「佐倉義民伝」を浪曲に合わせて上映します。また明治から大正期の幻燈機や幻燈写真、立体的な映像を実際に体験できるステレオ写真や、写真を使った装飾品も展示いたします。

タイトル

幕末・明治・大正のレンズを使った娯楽 写し絵の世界と変り写真

開催期間

2006年1月31日(火)~3月5日(日)

展示内容

江戸時代に始まった大衆娯楽である「写し絵」に使われた用具一式と、写真を使った装飾品やステレオ写真など、“物”として楽しむ「変り写真」約80点を展示。

展示点数

約80点

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

日本カメラ博物館YouTube公式チャンネル

明治初年から明治18年以前に東京の名所を撮影した写真がまとめられている、当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖をベースに、古地図や幕末・明治の写真おり交ぜながら井桜直美研究員が現在の様子と比べて紹介するシリーズ「東京百景」は、日本カメラ博物館YouTube公式チャンネルでご覧になれます。

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。