写真展

『週刊サンニュース』の時代

開催期間:2006年11月28日(火)2006年12月24日(日)
稲村隆正「銀座」(1947年)

 JCIIフォトサロンでは、来る11月28日(火)より12月24日(日)まで「『週刊サンニュース』の時代――報道写真と「名取学校」――」作品編を、また、JCIIクラブ25では、12月5日(火)より24日(日)まで同展資料編を開催いたします。

 終戦後2年の1947年、街にはまだ焼け跡が残り、食糧も不足がちでした。占領下に敗戦を実感し、不自由な生活に追われながらも、人びとは新しい日本を創るために一歩を踏み出していました。この年、新生日本をリードする総合グラフ雑誌として、名取洋之助氏が企画・編集して創刊されたのが、『週刊サンニュース』(サン・ニュース・フォトス、後に、サン出版社、1947年11月12日号~1949年3月5日号、全41号)です。

 本展では、顧問格だった木村伊兵衛氏をはじめ、藤本四八、牧田仁、小柳次一、三木淳、稲村隆正、薗部澄、小島敏子、長野重一らスタッフ諸氏が同誌のために撮影した写真作品約80点を紹介(会場:JCIIフォトサロン)し、報道写真やイラストなどで政治・経済・文化を伝えた記事誌面などを展示・解説(会場:JCIIクラブ25)いたします。

 「日本の『LIFE』」を目指して集った新人写真家は名取氏に鍛えられて報道写真を体得していき、後にアメリカの『LIFE』やイースト・ウエスト通信社の契約写真家となり、この後に名取氏が企画・編集に携わった『岩波写真文庫』や、相次いで復刊・創刊した写真雑誌に場を拓きます。また、レイアウトマンだった根本進、岡部冬彦氏は、名取の指導で同誌の中で漫画家としてスタートを切りました。『週刊サンニュース』が「名取学校」と呼ばれた由縁です。

 政治・経済からファッションに至るまで、戦禍から立ち上がろうとする社会を写真で伝えた同誌は、用紙不足を背景にザラ紙で制作され、1年半で休刊したこともあって、幻の雑誌となっています。『週刊サンニュース』を通して、戦後の社会相と報道写真に邁進する写真家たちの姿を探ります。

 


タイトル

『週刊サンニュース』の時代 ――報道写真と「名取学校」――

開催期間

作品編  フォトサロン 2006年11月28日(火)~12月24日(日) 
資料編  クラブ25 2006年12月5日(火)~12月24日(日)

展示内容

主な作品は・・・
木村伊兵衛 豊島区引揚者互助会(「古バス住宅」創刊号に掲載)ほか
藤本四八 銀座倉庫(「商売往来」1巻4号に掲載)ほか
小柳次一 浮浪児(「だけど心はホガラカよ」1巻15号に掲載)ほか
牧田仁 洋服の仮縫い(「かりぬい」1巻6号に掲載)
三木淳 常磐炭鉱(「炭鉱」1巻5号に掲載)ほか
稲村隆正 新婚家庭(「新結婚論」1巻9号に掲載)ほか
薗部澄 新橋古着市(「東京のタケノコ」1巻14号に掲載)ほか
小島敏子 東劇舞台裏(「女のカメラマン舞台裏へ行く」1巻10号に掲載)
長野重一 大分の都市計画(「新しい都会」2巻12号(最終号)に掲載)

JCIIクラブ25 『週刊サンニュース』約40点(創刊号から休刊号まで)
カメラ機材 スピードグラフィック/ロ-ライフレックスオートマット/ライカ/コンタックスなど

展示点数

JCIIフォトサロン 写真作品 約80点

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

 

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。