写真展

飯島幸永作品展「寒流」雪国の女・雪下有情

開催期間:2007年3月6日(火)2007年4月1日(日)
1967年 「雪娘」 津軽中里
(c)飯島 幸永

 JCIIフォトサロンでは、来る2007年3月6日(火)から4月1日(日)まで、飯島幸永作品展「『寒流』 雪国の女・雪下有情」を開催いたします。

 杉山吉良氏に師事した飯島氏は、その後広告写真や雑誌などで活躍する傍ら、人物や風土など、社会的テーマの作品を発表し続けています。

 「雪国の女」は、昭和40年代の冬の津軽の女性たちを追った作品です。北国の厳しく閉ざされた環境の中で生きる津軽の女たちに魅かれ、氏は7年間毎冬ごとにその地を訪れました。閉ざされた環境に生きる幾世代もの彼女たちは、少女から大人の女性、そして老女へと、年輪を刻むドラマのように展開され、氏の眼には北国の幻想的な変身と映りました。酒場の女、小屋の女、成人式の乙女、夫と死別した寡婦、賭場の老女。雪国に生きる、様々な年代や境遇の女たちの根底に、共通して流れる情緒や厳しさが、叙情的に写し出されています。

 また「雪下有情」は、北国に魅せられた氏が、同時期に新潟県北魚沼郡の山間地帯を訪れ、その地に生きる人々の姿を撮影したものです。日本有数の豪雪地帯に生きる人々は、純朴で優しく、見ず知らずの氏を暖かく迎え入れてくれました。すさまじい豪雪との闘いの中で、懸命に生きる人々。そこには、風土と人間の営みが、今よりも遥かに生きる原理に近い生活があったことを物語っています。

 今回の作品展を通じて、北国が織り成す特有の風土や、現代人が失いつつある人間の根源的な営み、などを感じていただければと思います。

 

飯島幸永(いいじまこうえい)
  1942年 東京に生まれる。
  1964年 東京写真短期大学(現東京工芸大学)卒業。写真家杉山吉良に師事。
  1966年 寵児の世界「音を求める子ら」を『アサヒカメラ』誌に発表。新人賞を受ける。
  1972年 フリーとなる。日本各地を旅し、風土と人間の撮影に取り組む。
  1979年 個展「寒流 雪国の女」を開催。(銀座ニコンサロン)
  1986年 個展「片隅の風景―サイレンス」を開催。(銀座ニコンサロン)
  1991年 日本画家上村松篁の写真集『歩々清風』を中央公論美術出版より出版。
  1992年 写真と名画で語る「上村松篁・魂の賛歌―写真家飯島幸永の眼」展を開催。
  2000年 中高年向け写真入門書『あなたしか撮れない写真』を実業之日本社より出版。
  2002年 12年間の集大成、写真集『人間上村松篁』を小学館より出版。
  2003年 小学館ウィークリーブック『やきものを楽しむ』の細川護熙氏エッセーに写真連載。
  2004年 『週刊文春』掲載企画広告、細川護熙氏エッセー「ことばを旅する」に写真連載。
  現在、日本画家の人物像の撮影に取り組む。

 

タイトル

飯島幸永作品展「『寒流』 雪国の女・雪下有情」

開催期間

2007年3月6日(火)~4月1日(日)

展示内容

「雪国の女」は、昭和40年代の冬の津軽に生きる女たちを追った作品です。様々な世代や境遇の彼女たちが織り成すドラマは、雪深く閉ざされた環境を背景に、彼女たちの根底に共通して流れる情緒や厳しさを、叙情的に写し出します。また「雪下有情」は、北国に魅せられた氏が、同時期に新潟県魚沼郡の人々を追った作品です。日本有数の豪雪地帯に力強く生きる、純朴で優しい人々。その地には、風土と人間の営みが、今よりも遥かに生きる原理に近い生活があったことを物語っています。
今回の雪国の人々を追った約80点(全作品モノクロ写真)の作品から、北国が織り成す特有の風土や、現代人が失いつつある人間の根源的営み、などを感じていただければと思います。

展示点数

約80点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。