写真展

吉田元 作品展「神々の残映 沖縄・八重山・1963」

開催期間:2007年7月31日(火)2007年8月26日(日)

薄明りの出漁 具志堅古栄 黒島 伊古 (c)吉田元

 JCIIフォトサロンでは、来る2007年7月31日(火)から8月26日(日)まで、吉田元作品展「神々の残映 沖縄・八重山・1963」を開催いたします。

 中央大学を卒業後北海道根室原野に移住し、この地で鳥類学者・作家・写真家として「周はじめ」の名で活動していた吉田元。彼は1963年9月、本土復帰前夜の八重山諸島に渡り、70日程滞在しながらドキュメンタリー番組の制作にあたりました。本展に並ぶのはこの滞在時に撮影された作品群で、吉田独特の穏やかな諧調をもつモノクロプリントには、八重山の人々の表情や風景、そして島々に吹く晩夏の風の気配までもが、細やかな感性によって捉えられています。

 再訪神ニライカナイの神の信仰で知られる八重山ですが、この地で吉田が見た「神」やその「残影」は、擬人化され祭礼に奉られるそれのみではありませんでした。吉田はむしろ「いつ終わるとも知れない旱魃、突然の生き地獄となる津波や火風、ハブやマラリア」等の沈静も激化も一手に司る島の「お天頭さん」に、また、炎熱の石の野に起こったと伝わる島を窮地から救った超自然現象の中に、島人たちの奉る「神」の姿をみとめます。そしてそれら神の存在に支えられた島人の日常や自然の中に「神々の残映」を感じ、島や人のありのままの姿を写真、文章の形に模写していきました。

 晩年はエディターとして活躍した吉田が、この時の写真と文章を自ら編集した作品集が、作家没後の2006年、写真家秋山忠右氏の監修により『神々の残映』(冬青社)として上梓されました。本展は、この『神々の残映』に所収された全49点(全てモノクロ)の写真と文章を展覧会としてまとめて紹介する、初めての機会になっています。

 

吉田 元 (よしだ はじめ)
1930年愛媛県今治市生まれ。1952年に中央大学法学部を卒業後、北海道根室原野に移住。3年間この地に暮らし、執筆、撮影、鳥類研究を行う。この頃鳥類学者の内野清之助、鳥類写真家の下村兼史と知り合い、下村からは写真の指導を受ける。1950年代半ば頃より「周(しゅう)はじめ」の名で野鳥の生態を記録した写真集や短編映画などの制作を開始。その後は表だった作家活動を行わず、写真のディレクション、各種ドキュメンタリーの制作、出版社でのアドバイザーなどを兼任して活躍した。1963年にはドキュメンタリー番組「水と風」(日本テレビ,芸術祭賞第十八回奨励賞受賞)の撮影に同行して70日ほど八重山諸島に滞在。作家没後の2006年に出版された写真集『神々の残映』(冬青社)はこの時に撮影した写真を写真家秋山忠右氏が編纂したもので、本展覧会もこれに基づいて構成されている。(尚『神々の残映』と同時刊行された『北回帰線の北』(冬青社)は、1988年から2001年にかけて撮影された、八重山写真の続編とでもいうべき写真集。)
 主な写真集に『カラスの四季』(1956年,法政大出版)『滅びゆく野鳥』(1957年,法政大学出版)、『原野の四季』(理論社,1958年)、『鳥と森と草原』(1960年,法政大学出版)、『牧場の四季』(1961年,理論社)、『牧人小屋だより』(1962年,新潮社)、『草の中の伝説』(1971年,法政大学出版)等。いずれも周はじめ名義。

※ 吉田元氏の「吉」の字の正式な表記は「土」に「口」になります。

 

タイトル

吉田元作品展「神々の残映 沖縄・八重山・1963」

開催期間

2007年7月31日(火)~8月26日(日)

展示内容

沖縄本土返還の前夜の1963年。この年の晩夏に、写真家であり文筆家でもある吉田元氏は、北海道から八重山諸島に渡って70日を過ごしました。島々が深刻な旱魃やマラリアに脅かされ、島人たちが例年以上に過酷な自然環境の中を神とともに暮らしていた年。本展にはこの年に氏が写した石垣、小浜、黒島などの写真が並びます。ここに写る島人の表情には哀れみや疲れ、神々に対する畏敬と祈りとが滲み、草木や動物の姿にも溌剌とした陽気さはありません。
しかし、すべての命の営みが神々の恩恵と共にある八重山の人々の表情には、それでも尚逞しさと凛とした強さが滲みます。吉田氏はそのさまを「神々の残映」とよび、華々しい神の姿よりも日常に潜むその気配を、強烈な熱帯の島の光よりも残映を、次々とフィルムに収めました。
本展では、その集大成である写真集『神々の残映』(冬青社、2006)に所収された全49点(全てモノクロ)と氏のエッセイを、国内初の展覧会として紹介します。

展示点数

49点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。