写真展

緑川洋一作品展「緑川洋一の世界」

開催期間:2007年8月28日(火)2007年9月30日(日)

1954年 石灰工場の人々
<白い村 -ある石灰工場の記録->より
(c)緑川 洋一

 JCIIフォトサロンでは、来る2007年8月28日(火)から9月30日(日)まで、緑川洋一作品展「緑川洋一の世界」を開催いたします。

  緑川氏は「色彩の魔術師」と呼ばれ、色鮮やかな風景や魅惑的に輝く海景色などの幻想的な画面を作りあげる、独特なカラー写真で知られています。しかし1950年前後、本格的な活動を始めたばかりのモノクロ写真の時代には、女性ヌードから瀬戸内地方のルポ、露光調整による実験など、実にさまざまな手法やバラエティに富んだテーマに挑戦していました。当時を振り返り「多角は多角のまゝその個々においてハキ出した方がいい」と語った緑川氏。本展はその言葉にならい、モノクロによる多様な試みの軌跡をありのままに、約90点の作品(全てモノクロ)で紹介します。

  本展に並ぶ「模索の時代」の写真群は、「しょせん、私には合わないテーマで、惨敗の記録であった」と氏自身が述懐していることもあり、完成度の高いカラー作品と比べると、これまで必ずしも十分に評価されてきませんでした。しかしそれらは歴史・文化的な資料価値も高く、氏の生い立ちと作家活動両方の原点でもあり、「惨敗の」ではなく”制作の”記録としても、大変貴重な作品です。

  今回の展覧会では特に、初の著書『女 その実技』にも採録された女性写真・ヌードのシリーズや、長時間露出や多重露光などの実験的作品のシリーズ、そして1950年代の瀬戸内地方の風俗や、瀬戸内に浮かぶ島々の歴史の一片を捕らえた<郷愁>のシリーズに注目しました。会場は、これら複数のシリーズを一堂に会して並べることで緑川氏のモノクロ作品の展開が一望できる構成になっています。

 

緑川 洋一 (みどりかわ よういち)
1915年岡山県邑久郡裳掛村(現瀬戸内市)生まれ。旧名は横山知。1936年日本大学歯科医学校を卒業し、翌年岡山に歯科医院を開業。1939年より歯科医の仕事と平行しながら雑誌『写真サロン』の月例懸賞に緑川洋一の名で応募を開始し受賞を重ねる。1947年、秋山庄太郎、植田正治、林忠彦らと「銀龍社」を結成。この頃より後進の指導に当たりながら女性写真を撮りはじめる。1950年に初の著作『女 撮影の実技』(光藝社)を出版、1952年『女の表情』(双芸社)、『女のポーズと採光』(同)を刊行、女性撮影と並び画面構成や技法への強い関心も示す。その後、制作の主眼を瀬戸内海周辺の人々の暮らしや風俗、風景などに移し、西大寺の裸祭りを撮った<備前の裸祭>で第1回二科賞(1953年)を、代表作『瀬戸内海』(美術出版社,1962年)では日本写真批評家協会賞、日本写真家協会作家賞、岡山県文化賞などを受賞した。1950年代より長時間露出や多重露光、モンタージュや赤外線の使用など、さまざまなテクニックを駆使して斬新な風景表現の試みを重ね、ここで会得した技術や方法論を1960年代以降のカラー写真にも活かし、その独自の作風により「色彩の魔術師」の異名で呼ばれた。1940年代より東京、大阪、岡山を中心に展覧会も数多く開催。1990年の勲四等玉宝章他受賞多数。作品はフランス国会図書館、イギリスV&A美術館などにもコレクションされている。2001年11月逝去、享年86歳。

 

タイトル

緑川洋一作品展「緑川洋一の世界」

開催期間

2007年8月28日(火)~9月30日(日)

展示内容

数々の技術と技法を駆使して斬新な構図と色合いの風景写真を数多く制作し、「色彩の魔術師」と呼ばれて国内外での評価が高い緑川氏。しかし本展で紹介する氏のモノクロの作品群は、これまで必ずしも十分に評価されてはきませんでした。そこで本展では、「色彩の魔術師」緑川氏の制作の原点である初期モノクロでの作品群を見つめなおすべく、戦後10余年間の瀬戸内地方の風俗写真や、後年のカラー作品にもつながる実験的な作品などに注目し、バラエティに富んだ90点(全てモノクロ)を一堂に会して紹介します。
光や画面構成への強い関心も伺える1940年代後半の女性写真・ヌード写真や、多重露光や長時間露光を試み始めた頃の実験的作品、1950年代の瀬戸内海周辺地方の人々や風俗をテーマ別に捉えたシリーズなどによる、色彩の魔術師・緑川洋一の遺した“もうひとつの世界“を一望する展覧会です。

展示点数

約90点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。