写真展

児玉房子作品展「東京 around 1990」

開催期間:2013年5月8日(水)2013年6月2日(日)
品川区・品川埠頭沖 (c)児玉 房子

 JCIIフォトサロンでは、来る2013年5月8日(水)から6月2日(日)まで、児玉房子作品展「東京 around 1990」を開催いたします。

 児玉氏は、1945年に和歌山県に生まれます。桑沢デザイン研究所写真研究科時代に、「シカゴ、シカゴ」などで代表される石元泰博氏に写真を学びます。卒業後には、広告関係の出版の編集者を経て、編集兼カメラマンとして入社した会社で、富士ゼロックス社のPR誌『グラフィケーション』の写真を担当しました。大阪や東京などひとつの街を歩き回り、当時流行っていた「コンポラ写真」とは一味違った写真を撮り続けました。

 今回の作品展は、「東京around」と題して、写真集『千年後には・東京 TOKYO KINETIC』より1990年台前半、バブル崩壊寸前の終焉が色濃く写し出された東京の街並みや人々の営みを追い続けた作品をご覧いただきます。

 初めに就職した編集の仕事で、広告の写真に接しながら、常にスナップの写真が撮りたいと思い続けていたという児玉氏の写真には、写真を撮りたいという思いが溢れ出るような写真が数多く見受けられます。

 氏は長い間東京と周緑の街と人を撮ってきましたが、新聞とグラフ誌の連載が決まり、ほとんど毎日街を歩き、人の集まる所に出かけていたそうです。これまでにも増して街歩きの楽しさを味わい、写真を撮るという行為に弾けるような開放感を感じ、それと同時に東京と格闘する思いで写真を撮っていた、と語っています。

 写真を始めた当時は、社会に役立つ人間であるべきだ、という捉われのようなものがあり、新しいドキュメンタリストを目指したいと考えていました。しかし、自分が撮る意味は何なのか、入りにくい場所に入り込んで写真を撮ったという功名心を得たいが為ではないかと葛藤し、結局やめてしまったそうです。特別なことが無くても写真を撮るということが、当たり前になっていく世の中で、氏が昔目指していた「報道写真家」という存在とは真逆に何でも撮っていいのだと考えるようになり、のびのびと自然体で撮る写真に急速に方向を修正していくこととなりました。自分を取り巻く世界をどう見ていくか、考えていくか、社会への関心を写真でどのように表現していくかが、見て取れます。

 新宿、六本木、代官山、上野、青山、など都内各地を歩き回り、人々で溢れ返った街や誰かの気配が常にあり、人間の匂いが感じられる作品群です。


児玉 房子 (こだま ふさこ)

1945年和歌山県生まれ。67年桑沢デザイン研究所・写真研究科卒業。

70年『世界写真年鑑70』(平凡社)の”若い眼“に選ばれたことを契機に、LE MARS社に編集兼カメラマンとして入社。そこで富士ゼロックス社のPR誌『グラフィケーション』の写真を担当した。76年「11人のイタリア写真家と11人の日本写真家」展(イタリア文化会館)に出品。作品に「ポルトガルの十月」、「東京クルージング」、「郊外」ほか。

写真集に『クライテリア』(90年、IPC)、『千年後には・東京』(92年・現代書館)がある。

写真展に「TOKYO PHOTOGRAPHS」(91年・オリンパスギャラリー)、「東京キネティック」(92年・銀座ニコンサロン)、「東京郊外」(97年・ギャラリーアートグラフ)ほか。

写真集・写真展『千年後には・東京』で93年日本写真協会賞年度賞を受賞。写真集『クライテリア』とともに95年、第三回・桑沢賞受賞。東京都写真美術館コレクション。

タイトル

児玉房子作品展「東京 around 1990」

開催期間

2013年5月8日(水)~6月2日(日)

展示内容

「東京around」と題して、写真集『千年後には・東京 TOKYO KINETIC』より1990年台前半、バブル崩壊寸前の終焉が色濃く写し出された東京の街並みや人々の営みを追い続けた作品をご覧いただく。
初めに就職した編集の仕事で、広告の写真に接しながら、常にスナップの写真が撮りたいと思い続けていたという児玉氏の写真には、写真を撮りたいという思いが溢れ出るような写真が数多く見受けられる。
自分を取り巻く世界をどう見ていくか、考えていくか、社会への関心を写真でどのように表現していくかが、見て取れる。
新宿、六本木、代官山、上野、青山、など都内各地を歩き回り、人々で溢れ返った街や誰かの気配が常にあり、人間の匂いが感じられる作品約80点(全作品モノクロ)を展示する。

展示点数

約80点

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。