写真展

松村明 作品展 「Evidence NAGASAKI―ありふれた長崎 爆心1km―」

開催期間:2015年6月30日(火)2015年7月20日(月)

爆風で幹の上部が飛散して四方に枝分かれした樫竹の久保町
(C) 松村 明

 JCIIフォトサロンでは、来る2015年6月30日(火)から7月20日(月)まで、松村明作品展「Evidence NAGASAKI―ありふれた長崎 爆心1km―」を開催いたします。

 松村氏は毎日新聞社写真部に入社し、カメラ毎日編集部で勤務後、九州造形短期大学写真学科の教授を務めるなどして活動してきました。その傍ら、街の移り変わりをテーマに数々の作品を発表しています。

 本展では、原爆被害にあった長崎の現在の街並みを、点在する原爆遺構や人物と共にとらえた作品「ありふれた長崎」と、被爆遺構物をクローズアップでとらえた「爆心1km」の二部構成で展示いたします。

 長崎に原爆が投下されて今年で70年という年月が経ちます。被爆者の高齢化や歳月の経過が原爆を過去の出来事として風化させ、街の移り変わりと共にその記憶が薄れているように感じた氏は、原爆の記憶を留めようと撮影をはじめました。

 被爆した樹木、爆風で吹き飛ばされた鳥居、原爆の閃光を浴びた石垣など、今も長崎の日常的風景の中に残る被爆の痕跡を氏は丁寧に写しとめています。同時に平和祈念像前で手を合わせる年配者の姿や、カメラの前に立つ被爆者のポートレイトから伝わってくる悲しみは、私たちに原爆の悲惨さを静かに語りかけてきます。

 世代を超えて原爆に対しての気持ちを共有することや、直接伝えていくことが難しい状況に立ち至っている現在、あの悲惨な出来事を二度と繰り返さないためにも、過去のこととして忘れていくのではなく、今も続く被爆の苦しみに目を向けてほしいという氏の想いが感じられる作品展です。

松村 明(まつむら あきら)

1946年京都生まれ。1969年日本大学芸術学部写真学科卒業(学外で写真家長野重一氏に師事)。毎日新聞社写真部に入社し、カメラ毎日編集部で本誌および別冊ニューヌードなど担当。1983年文化庁在外派遣研修員として、ニューヨーク州ロチェスターのイーストマンハウス国際写真美術館で研修。1987年「EMPATHY―日本現代写真10人展―」(森山大道氏ら10人)のキュレーションを手がけ、全米3か所を巡回。1995年毎日新聞で『戦後50年暦の断層』を連載、東京写真記者協会企画部門賞を受賞する。2005年九州造形短期大学写真学科教授に就任し、2013年まで務める。

【写真展】
「眼貌―硬派紙面の顔―」(1992・銀座ニコンサロン)、「関門の街」(2000・キヤノンサロン銀座、同福岡、小倉・岡林ギャラリー)、「眺めの行方」(2005・新宿ニコンサロン)、「ありふれた長崎」(2011・ギャラリー蒼穹舎、アイデムフォトギャラリー[シリウス]、長崎県美術館、福岡アジア美術館)、「松村明退任記念展」(2013・九州産業大学美術館)ほか多数。

【写真集】
『路地を抜けると―神田―』(2003・蒼穹舎)、『ありふれた長崎―あの日から65年―』(2010・窓社)、『Evidence NAGASAKI―爆心1km―』(2015・冬青社)がある。


タイトル

松村 明 作品展
「Evidence NAGASAKI ―ありふれた長崎 爆心1km―」

開催期間

2015年6月30日(火)~7月20日(月・祝)

展示内容

「Evidence NAGASAKI―ありふれた長崎 爆心1km―」と題し、原爆被害にあった長崎の現在の街並みを、点在する原爆遺構や人物と共にとらえた作品「ありふれた長崎」と、被爆遺構物をクローズアップでとらえた「爆心1km」の二部構成でご覧いただく。
被爆した樹木、原爆の閃光を浴びた石垣など、今も長崎の日常的風景の中に残る被爆の痕跡や、カメラの前に立つ被爆者のポートレイトから伝わってくる悲しみは、私たちに原爆の悲惨さを静かに語りかけてくる。
過去のこととして忘れていくのではなく、今も続く被爆の苦しみに目を向けてほしいという氏の想いが感じられる作品約70点(全作品モノクロ)を展示。

展示点数

約70点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。