写真展

「山端祥玉が写した1939年万博の旅」

開催期間:2017年11月28日(火)2017年12月25日(月)
ニューヨーク万博国際館日本部の写真壁画 《躍進日本》 前
1939年4月

 JCIIフォトサロンでは、11月28日(火)より12月25日(月)まで「山端祥玉が写した1939年万博の旅」を開催致します。

 写真制作会社を率いていた山端祥玉は、1939年に米国のサンフランシスコとニューヨークで開催された万国博覧会への出品写真監督のために現地へ向かい、ヨーロッパを巡って帰国しました。

 4月6日に横浜港を出航した鎌倉丸には、米国公演に向かう宝塚歌劇団やパリを再訪する藤田嗣治が同乗しており、船上での生き生きとした様子が写されています。米国上陸後は、万博の開会式や、コダック館、フォード館、ゼネラルモータース館など多数のパビリオンの展示模様を記録しています。ヨーロッパでは、ドイツ、イタリア、フランス、スイスを巡り、ヒトラーの観兵式やチューリッヒでの博覧会(スイス国内博覧会か)を撮影して、7月27日に帰国しました。

 日米開戦前夜の万博は、国際的に孤立を深めていた日本の印象を好転させる絶好の機会でした。ニューヨーク万博で掲げられた写真壁画は、国際文化振興会嘱託写真家であった土門拳らが撮影して建築家の山脇巌が構成し、山端の会社であるG.T.サン商会が印画引伸に携わるなど、一流の制作陣が集められました。

今回が初公開となる写真は万博の様子などを躍動的に伝えていますが、山端の旅行の目的には、写真出品監督のほかに内閣情報部から依嘱された各国の写真宣伝事情調査もあり、欧米で撮影された写真は、戦中における「産業美術報国」「写真報国」に役立てるための記録でもあったのです。

本展では、山端の写真約80点を展示し、図録には帰国後に上野精養軒で開催した「欧米視察報告会」の速記録も掲載します。

★12月9日(土)、小原真史+白山眞理講演会「万博と写真壁画の時代」を行います。申込受付中です!(※学生・友の会会員無料)

 

山端 祥玉(やまはた しょうぎょく 1887-1963)

1887年4月4日、福井県生まれ。
1910年、蘭領スマトラ島メダン市の朝日写真館技師長に就任。
1914年、英領シンガポールに写真材料商サン商会と写真館設立。
1927年、G.T.サン商会を東京築地に創設(1943年に山端写真科学研究所と改称)。
1937年より終戦まで、内閣情報部、海軍省、陸軍省の嘱託となり、1938年より陸軍の上海写真製作所であるプレス・ユニオン・フォトを名取洋之助と共に担当。
1945年10月、写真通信社サン・ニュース・フォトスを設立。
1946年、G.T.サンを再興する傍ら、毎日新聞社の出資を得てサン写真新聞社創設。
1947年、公職追放となり、各社代表を退く。
1963年2月24日没。原爆投下直後の長崎を撮影した山端庸介は長男。


タイトル

「山端祥玉が写した1939年万博の旅」

開催期間

2017年11月28日(火)~12月25日(月)

展示内容

山端祥玉が1939年4月から7月までの欧米視察途上で写した鎌倉丸で稽古中の宝塚歌劇団、同乗した藤田嗣治、サンフランシスコ万博やニューヨーク万博の様子、ヒトラーの観兵式、スイス国内博覧会などの写真約80点(全作品モノクロ)。

展示点数

約80点 (全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(ただし、祝日の場合は開館) ※最終日12月25日は開館

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。