写真展

-古写真に見る明治の東京-「神田区・日本橋区編」

開催期間:2009年8月4日(火)2009年8月30日(日)
日本橋通り  鶏卵紙 52×81 mm

 JCIIフォトサロンでは、古写真シリーズの17回目として、来る2009年8月4日(火)から8月30日(日)まで、「―古写真に見る明治の東京― 神田区・日本橋区編」を開催いたします。今回は、今年2月に開催し好評をいただいた「皇城(江戸城)・麹町区編」に続く第2弾で、当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖の中から、当時の「神田区」と「日本橋区」の写真を展示いたします。明治4年頃(c1871)から明治20年代前半までに撮られた写真が入り交じり、複数の写真師による作品で構成されているこの写真帖については、作られた経緯やその詳細はまだまだ不明な部分が多いのですが、総数900点以上の写真は12区と5郡に分けられ、それぞれの町の特徴がよく分かる作りになっています。

 「神田区」と「日本橋区」とは、明治11年(1878)に施行された郡区町村編制法による15区6郡制で制定された区です。「神田区」は、現在の「千代田区」の北東部の神田・神保町方面を指し、昭和22年(1947)に「麹町区」と合併して「千代田区」となる際、「神田区」内の町名にはすべて頭に「神田」が付けられました。「神田区」には現在の東京大学、東京外国語大学、学習院の前身にあたる学校などが、明治期に多く建設され、学生相手の書店がたくさんできました。これが、現在の神保町の古書店街のもとにあたるようです。また、神田といえば江戸総鎮守の神田明神とニコライ堂があり、今も昔も多くの人々が訪れています。

 一方、「神田区」の南東に位置する「日本橋区」は、同じく昭和22年(1947)に「京橋区」と合併して、現在の「中央区」となりました。現在の兜町地域には江戸時代から武家屋敷が並んでいましたが、明治に入ってこれらの土地が官有地となると、銀行や米商会所、株式取引所などが西欧風建築で建立され、近代化された金融の街へと大きく変化していきました。また、現在の日本橋1~3丁目の地域は、江戸時代から商人が多く住む庶民の街でした。たくさんの商店が軒を連ねていたメインストリートの日本橋通り(現・中央通り)では生活に必要なほとんどの物が手に入ったといい、とても活気のある街であったことが当時の写真からもうかがい知れます。そして区内中央部分に位置した「日本橋魚河岸」も、大正12年(1923)の関東大震災で築地に移転するまで、江戸時代から続く一大魚市場として栄えていました。

 展示では、写真帖に収録された「神田區之部」と「日本橋區之部」より、約60点をご覧いただきます。これらの写真が写されたのは、「江戸」から「東京」へ、近代化という大きな変化の第一歩を踏み出した時代です。写真からは、長い歴史をもつ江戸時代の名残と、新しく導入された西欧文化が入り交じった当時独特の町の空気が感じられます。今では見ることのできない当時の町の姿を、是非お楽しみ下さい。

★この展示に合わせて、古写真収集家の石黒敬章氏をお招きし、古写真研究家(日本カメラ博物館)の井桜直美氏とのトークショー「”古写真に見る明治の東京”を語る Part2」を2009年8月9日(日)に開催いたします!是非ご参加ください。(※要電話予約)

タイトル

―古写真に見る明治の東京― 神田区・日本橋区編

開催期間

2009年8月4日(火)~8月30日(日)

展示内容

今年2月に開催し、好評を博した「皇城(江戸城)・麹町区編」に続く第2弾。明治11年(1878)に施行された郡区町村編制法による15区6郡制で制定された「神田区」は、現在の「千代田区」の神田・神保町方面を指し、「日本橋区」は、現在の「中央区」を「京橋区」と二分していた。
「神田区」には現在の東大、外語大、学習院の前身にあたる学校などが、明治期に多く建設され、学生相手の書店ができ、これが現在の神保町の古書店街となった。また、江戸総鎮守の神田明神とニコライ堂があり、今も昔も多くの人々が訪れている。
「日本橋区」には、銀行や米商会所、株式取引所などが西欧風建築で建立され、近代化された金融の街へと変化した現在の兜町地域と、江戸時代から商人が多く住み、たくさんの商店が軒を連ねた活気ある庶民の街だった、現在の日本橋1~3丁目の地域があった。
当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖より、長い歴史をもつ江戸時代の名残と、新しく導入された西欧文化が入り交じった当時の空気が感じられる「神田区」と「日本橋区」の写真、約60点を展示。

展示点数

約60点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

日本カメラ博物館YouTube公式チャンネル

明治初年から明治18年以前に東京の名所を撮影した写真がまとめられている、当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖をベースに、古地図や幕末・明治の写真おり交ぜながら井桜直美研究員が現在の様子と比べて紹介するシリーズ「東京百景」は、日本カメラ博物館YouTube公式チャンネルでご覧になれます。

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。