写真展

鷲尾倫夫 作品展 「THE SNAP SHOT」

開催期間:2014年9月30日(火)2014年10月26日(日)
(c)鷲尾 倫夫

 JCIIフォトサロンでは、来る2014年9月30日(火)から10月26日(日)まで、鷲尾倫夫作品展「THE SNAP SHOT」を開催いたします。

 鷲尾氏は1941年に東京に生まれます。船員学校を卒業後、船乗りの仕事に就き貨物船の海外航路の乗組員として11年余り洋上生活を続け、50ヶ国以上の国を巡りました。たまたま訪れた国の本屋で手に取った写真集『ザ・ファミリー・オブ・マン』に大きく感動し、写真を撮り始めます。その後、ニコンサロンで初めての個展が決まったと同時に船乗りの仕事を辞め、写真一本で生きていこうと決めたそうです。寿町の住人をクローズアップで撮影した「顔・エトセトラ」の展示をきっかけに、当時創刊準備をしていた「FOCUS」(新潮社)に誘われ、休刊するまでの20年間、編集部専属カメラマンとして勤め、その傍ら自身のテーマを常に持ち続け、定期的に個展を開くなどして活動してきました。

 今回の作品展は、「THE SNAP SHOT」と題して、人を撮ることの緊張感と後ろめたさがスナップの魅力だという氏が2007年に出版した写真集『THE SNAP SHOT』より、船乗り時代に撮影した外国の写真をはじめ、東京、横浜、大阪、沖縄などの風景や人物をとらえた作品をご覧いただきます。

 1981年に創刊した「FOCUS」は、「写真で時代を読む」をキャッチフレーズに、丹念な張り込み取材と1枚の写真を大きく使って、文字よりも写真に語らせる記事を展開した写真週刊誌の草分け的存在でした。船乗りとして様々な国の人たちと出会った経験からコミュニケーションの大切さを感じ、物怖じしない姿勢を身につけていた氏は、取材時や自身の作品制作にその経験を活かしました。

 地べたに座り込みカメラを見つめる黒人の少年、画面いっぱいに収められたタヌキの群れ、身を屈め繁華街を歩くサングラスの男、何かを語りかけてくるような老人のまなざしなど、どの写真も被写体の目線や佇まいから不思議な気配が漂い、私たちに強烈な印象を与えます。

 他者とのコミュニケーションが希薄な現代において、人にカメラを向けるという行為は勇気がいることですが、撮る側が一歩踏み込まなければ見えない事実や、築き得ない関係性もあります。人と真正面からぶつかり合い、粘り強くコミュニケーションを取りながら撮影した作品からは、目には見えない想いのやりとりが感じられ、被写体の持つ本質的な部分が強く引き出されています。

氏の被写体に対する興味や好奇心は一枚一枚の写真に強く表れ、進行し続ける時代の側面に光を当てた、人間のにおいが感じられる作品群となっております。

★この展示に合わせ、10月25日(土)に作家である鷲尾倫夫氏をお迎えして講演会「今だから語れる『FOCUS』裏話」を開催いたします。是非ご参加ください!

鷲尾 倫夫(わしお みちお)

1941年東京生まれ。1960年愛知県国立高浜海員学校修了後、東洋海運(合併後新栄船舶)に入社。1972年新栄船舶を退社。1973年日本写真学園研究科卒業。1981年『FOCUS』(新潮社)編集部専属カメラマンとなり、以降20年在籍。1983年日本写真学園講師となる。受賞歴に1991年『伊奈信男賞特別賞』、1996年『編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞』がある。

主な写真展に「東アフリカ・マガディン村の人々」(1972・新宿ニコンサロン)、「寿町えれじい」(1977・銀座ニコンサロン)、「顔・エトセトラ」(1981・銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロン)、「ヨボセヨ。」(1984・銀座ニコンサロン)、「13年・エトセトラ1977~1991」(1991・銀座ニコンサロン)、「韓国」(1998・銀座ニコンサロン)、「原色のソナタ」(2008・ギャラリーPLACE M)、「望郷・エトセトラ」(2010・新宿ニコンサロン)、「巡歴の道 オキナワ」(2013・銀座ニコンサロン)など多数。

写真集に『原色の町』(1990・株式会社アイピーシー)、『写真』(2000・ワイズ出版)、『THE SNAPSHOT』(2007・ワイズ出版)、『原色のソナタ 1992~95 SEOUL』(2008・PLACE M)がある。


タイトル

鷲尾 倫夫作品展 「THE SNAP SHOT」

開催期間

2014年9月30日(火)~10月26日(日)

展示内容

「THE SNAP SHOT」と題し、人を撮ることの緊張感と後ろめたさがスナップの魅力だという氏が2007年に出版した写真集『THE SNAP SHOT』より、船乗り時代に撮影した外国の写真をはじめ、東京、横浜、大阪、沖縄などの風景や人物をとらえた作品をご覧いただく。
地べたに座り込みカメラを見つめる黒人の少年、画面いっぱいに収められたタヌキの群れ、身を屈め繁華街を歩くサングラスの男、何かを語りかけてくるような老人のまなざしなど、人と真正面からぶつかり合い、粘り強くコミュニケーションを取りながら撮影した作品からは、目には見えない想いのやりとりが感じられ、被写体の持つ本質的な部分が強く引き出されている。
進行し続ける時代の側面に光を当てた、人間のにおいが感じられる作品約70点(全作品モノクロ)を展示。

展示点数

約70点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。