小松健一作品展「都会の安息―1970~1980年代」


JCIIフォトサロンでは、来る2026年9月1日(火)から9月27日(日)まで、小松健一作品展「都会の安息―1970~1980年代」を開催いたします。
本展は、小松健一氏がフリーランスの写真家になる以前の1970年代から80年代にかけて、高度経済成長からバブル経済へと移行する時代の東京の人々を記録した60点(すべてモノクロ)を展示します。
小松氏は岡山県生まれ、群馬県育ちで、新聞記者などを経て1982年よりフリーランスの写真家として活動を始めました。以来、ヒマラヤ、アンデス、シベリア、チベット、ニューギニアなど世界各地の厳しい風土を生きる人々をライフワークに撮り続けるかたわら、石川啄木や宮澤賢治のゆかりの地をたどる日本の文学風土記シリーズを手がけるなど、日本の近現代文学・社会的テーマへの取材でも広く知られています。著書・写真集も多数あり、国内外の美術館・博物館に作品が収蔵されています。
フリーランスとして歩み始める以前から、小松氏は東京の街にカメラを向け続けていました。地方から上京した自身もまた、都会で生きることを選んだ一人でした。人波にのまれ、会社でも路地でも通勤電車の中でも、それぞれの孤独を抱えながら懸命に生きる人々の姿を、氏は寄り添うように見つめています。
朝の公園の植込みの辺りでひとり新聞に顔を寄せる人、占い師に行列をつくる女性たち、夜遅い電車の中で塾帰りに勉強を続ける子どもたちなど、氏がとらえるのは、喧騒のなかに垣間見える都会の片隅のひそかな「安息」の瞬間です。大都市の冷たさや無関心の裏側に、人間だけが持つ温もりを見出そうとする眼差しがそこにはあります。「都会の安息」シリーズは、1985年に初めての個展として発表されました。当時、雑誌『中央公論』に「仮初の安息―東京人の日常」として一部が掲載され、読者から大きな反響を呼びました。
都市が高度経済成長を経て大きく姿を変え、バブル経済へと向かう時代、小松氏は名もなき人々の日常を見つめ続けました。約50年前に写し取られたその光景が、未発表作品とともに今ふたたびよみがえります。時代は変わっても、氏によって写し出された人々の安息の一瞬は、都会の片隅の声をささやき続けています。
小松 健一 こまつ・けんいち
1953年、岡山県生まれ、群馬県に育つ。現代写真研究所研究科(第1期生)卒。新聞記者などを経てフリーランスの写真家に世界の厳しい風土の中で自然と共生する民族をライフワークに地球巡礼をしている。また、日本の近現代の文学、作家の原風景を切り口にした日本人の暮らしと風土や、沖縄、環境、基地問題など社会的問題も追い続ける。「多様性の中の共生」が生涯のテーマである『ヒマラヤ古寺巡礼』(インデックスコミュニケーションズ、2004年)で2005年、公益社団法人日本写真協会賞年度賞、『雲上の神々-ムスタン・ドルパ』(冬青社、1999年)で第2回飯田市藤本四八写真文化賞(1999年)、「琉球-OKINAWA」で第23回視点賞(1998年)、『決定版 広島原爆写真集』(勉誠出版、2015年)、『決定版 長崎原爆写真集』(勉誠出版、2015年)で2016年度日本ジャーナリスト会議第59回JCJ賞、歌集『春ひそむ冬』(不羈書林、1983年)で1983年度新日本歌人協会新人賞など受賞。
著書は、『カラー版 写真紀行 三国志の風景』(岩波書店、1995年)、『秘境ヒマラヤ父と子の旅』(高文研、1995年)、『カメラ紀行 文学の風景をゆく』(PHP研究所、2003年)、『ムスタンの真実』(リベルタ出版、1994年)、『チリ―嵐にざわめく民衆の木よ』(大月書店、1990年)、『太宰治と旅する津軽』(新潮社、2009年)、『宮澤賢治-雨ニモマケズという祈り』(新潮社、2011年)、『写真紀行 心に残る「三国志」の言葉』(新潮社、2015年)、『民族曼陀羅 中國大陸』(みずき書林、2018年)、『写真家の心 詩人の眼』(本の泉社、2020年)、『琉球 OKINAWA』(本の泉社、2022年)、『遙かなるチリ 1989』(東京印書館、2025年)など多数。
個展は、ネパール国立アートギャラリー、中国二酉山房美術館をはじめ、国内外で多数開催。中国四川大学、専修大学など特別講師、日本写真家協会理事、協同組合日本写真家ユニオン専務理事、日本リアリズム写真集団事務局長など歴任。
現在、公益社団法人日本写真家協会会員、協同組合日本写真家ユニオン会員・相談役、全日本写真連盟関東本部委員、「反核・写真運動」事務局長、「憲法を考える写真人の会」事務局長、日本ネパール写真交流協会会長、日中写真交流協会顧問、写真研究塾「風」主宰、俳句誌「一滴」同人など。
作品収蔵:中国四川大学、飯田市美術博物館、伊勢崎市赤堀歴史民俗資料館、株式会社ゴールドウイン ザ・ノース・フェイス 他
★この展示に合わせて、2026年9月19日(土)に小松健一氏による講演会を開催いたします。事前予約制となっておりますので、参加ご希望の方は、JCIIフォトサロン(03-3261-0300 受付時間10-17時)までお申込みください。
★この展示に合わせて、2026年9月9日(水)、26日(土)に小松健一氏によるギャラリートークを開催いたします。予約不要・参加費無料です。参加ご希望の方は、当日15:00になりましたらJCIIフォトサロンにお集まりください。(約30分を予定)
タイトル
小松健一作品展「都会の安息―1970~1980年代」
開催期間
2026年9月1日(火)~9月27日(日)
展示内容
小松健一氏がフリーランスの写真家になる以前の1970年代から80年代にかけて、高度経済成長からバブル経済へと移行する時代の東京の人々を記録した60点を展示。朝の公園の植込みでひとり新聞に顔を寄せる人、占い師に行列をつくる女性たち、夜遅い電車の中で塾帰りに勉強を続ける子どもたちなど、喧騒のなかに垣間見える都会の片隅のひそかな「安息」の瞬間をとらえた。約50年前に写し取られたその光景が、未発表作品とともに今ふたたびよみがえる。
展示点数
60点
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(9月21日は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、
東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。
掲載日:2026年7月9日(木)







