感度の魔法

すべてオートで撮る場合には、明るい場所では絞りを絞ったりシャッター速度を早く、暗い場所では絞りを開き、速度を長くするだけでなく、足りない場合には電気的に明るさを変換して整えています。
これは光に対する感度を自動的に調節しているということです。
しかし、撮像素子が小さいこと、シャッター速度や絞りに制限があることなどから、極端に明るい場所では白く飛んだり、暗い場所では綺麗な写真が撮れないこともあります。それは画面全体で発生するだけでなく、光を強く反射するものが画面に含まれる場合は部分的に白飛びが発生し、画面の調和を乱すこともあります。
自分で調節できるカメラの場合には、強い光に向けて撮影するなど極端な差がない限りは、シャッター速度と絞りを幅広く調節できるので画面全体をきれいに整えることができます。
またカメラの感度(ISO 感度)も自由に細かく設定することが可能なので、明るい場所でも絞りを開けてボケを生かしたければ感度を下げる、暗い場所で手持ち撮影が可能なシャッター速度を維持しながら絞り込みたい時には感度を上げるといった操作が可能になります。
「シャッター速度」、「絞り」、「感度」の3 つは撮影に欠かせない要素で、互いに関係しているため、これらを細かく調節できるカメラでは表現の自由度が高まります。また現在のデジタルカメラでは、カメラのオート撮影時(自動露出=AE)に、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター速度優先AE に加え、明るさに応じて自動的に感度が変わる自動感度設定も加わり、撮影できる範囲は大幅に広がりました。
また最近のほとんどのカメラでは、手ブレ補正機構がレンズかボディ内に組込まれていて、手持ちでの撮影可能範囲が広がりました。