100歳のカメラ業界人 田中政雄が選んだ古今東西カメラ100台
日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、2016年1月9日(土)から3月27日(日)まで、特別展「100歳のカメラ業界人 田中政雄が選んだ古今東西カメラ100台」を開催します。
田中政雄(たなかまさお)氏は1915(大正4)年3月24日、東京に生まれました。
第2次世界大戦後から渋谷で、のちに荻窪でカメラ店を経営し、写真材料商を営むかたわら、全日本写真材料商組合連合会カメラ部長や東京写真材料商業協同組合理事長などの要職を務められたほか、広範な知識と経験をもとにカメラJIS規格委員、日本写真機光学機器検査協会(現・日本カメラ財団)の歴史的カメラ審査委員に参加されました。
田中氏がカメラと過ごしてきた時代は、乾板からフィルム、大型カメラから小型カメラへ、そして銀塩カメラからデジタルカメラへの移行という大きな流れがあり、カメラの発展期、とくに日本製カメラの発展期を実際に体験されています。
また、古今東西のカメラについて雑誌等や書籍への執筆も数多く手がけられており、実物を手にして豊富な経験によって記された記事は正確で、古いカメラを調べる際の信頼性が高い資料となっています。
今回の特別展示では、その田中氏が写真業界紙『週刊カメラタイムズ』紙に、1992年から2003年まで、のべ11年288回にわたって連載した「カメラのはなし」に掲載した機種の中から100台を選び、カメラの発展史とともに展示いたします。
なお、この展示は、2014年9月に有志によって連載がまとめられた自家出版本『カメラのはなし』の出版後に「実際のカメラも展示できると良いね」と、当館と展示を計画中に急逝された田中政雄氏のご遺志を継ぎ、実現したものです。
● 田中政雄(たなかまさお)さん
1915(大正4)年3月24日、東京生まれ。
戦後から渋谷、のちに荻窪でカメラ店を開業し写真材料商を営むかたわら、全日本写真材料商組合連合会カメラ部長や東京写真材料商業協同組合理事長の要職を務められたほか、広範な知識と経験をもとにカメラJIS規格委員、日本写真機光学機器検査協会(現・日本カメラ財団)が選定する「日本の歴史的カメラ」の初代審査委員に参加された。
100歳となった2015年も元気に活躍されていたが、4月13日急逝。享年100歳。
● 「カメラのはなし」
写真業界紙『週刊カメラタイムズ』紙に、1992年から2003年まで、のべ11年288回にわたって連載。毎回1台ずつ、クラシックカメラの機構や歴史について記した。
展示予定機種より
●「ザ・コダック」
■1888(明治21)年、 イーストマン乾板フィルム会社(アメリカ))
「あなたはシャッターを押すだけです。あとは私達が引き受けます」の広告どおり、100枚撮影可能なフィルムを内蔵し、写し終わった カメラを会社に送ると、プリントされた写真と新たなフィルムが入ったカメラが送り返されるシステムを確立。難しいと思われていた写真を広めることとなった。
●「ナルシス」
■1960(昭和35)年、 KMZ(旧ソビエト)
16ミリフィルムを使用した小型の一眼レフカメラ。フォーカルプレンシャッター式でファインダー交換式など多くの特徴を持つ。
田中政雄氏は、海外でのカメラの仕入れの関係から、あまり知られていなかった旧共産圏のカメラを日本に紹介した。
●「ベストポケット・オートグラフィック・コダック・スペシャル」
■1915(大正4)年、イーストマン・コダック(アメリカ)
田中政雄氏が生まれた年のカメラ。たたみ込み式で、ベストのポケットにも収まる薄さになるのが特徴。世界各国に広く輸出され、アマチュア写真の拡大普及の役割を果たした「ベストポケット・コダック」の改良高級型。
●「コニオメガ・フレックスM」
■1968(昭和43)年、 小西六写真工業(現・コニカミノルタ)
連載「カメラのはなし」の記事中では、もっとも新しい機種。マガジンおよびレンズ交換可能で、迅速巻き上げが可能な点など多くの特徴を持っている。
(展示予定機種は変更される場合があります)
※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。
タイトル
日本カメラ博物館 特別展
「100歳のカメラ業界人 田中政雄氏が選んだ古今東西カメラ100台」
開催期間
2016年1月9日(土)~3月27日(日)
展示品
写真業界紙『週刊カメラタイムズ』紙の、「カメラのはなし」に掲載された田中政雄氏が選んだ機種から、古今東西のカメラ100台を展示。
展示協力
カメラタイムズ社
常設展等
常設展として世界最初の市販カメラ「ジルー・ダゲレオタイプカメラ」、「日本の歴史的カメラ」約300点、「ライカコーナー」、「カメラのおもちゃコーナー」、「カメラ体験コーナー」、「分解パネルコーナー」などを展示
図録販売
今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
2015年12月21日(月)~2016年1月8日(金)は休館
入館料
一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。