写真展

福永一興作品展「山峡の村 加須良 1965~1971」

開催期間:2000年2月1日(火)2000年2月27日(日)
山間にある加須良集落の秋。
雪に閉ざされる厳冬期の準備。
1965(昭和40)年10月

 JCIIフォトサロンでは、来る2000年2月1日(火)から2月27日(日)まで、福永一興作品展「山峡の村 加須良 1965~1971」を開催します。

 福永氏が取材した岐阜県大野郡白川村加須良(かずら)は、世界遺産にも指定された白川村荻町集落から少し北に行った富山県との境にあります。そこは合掌造りの家数軒からなる、都会の喧騒と切り離された静かな村でした。急勾配の萱葺き屋根、養蚕のための採光用の障子窓と広い二、三階の空間、そして大家族制など、合掌造りの家に暮らす加須良の人々は風土に根ざした創意と技術が結びついて造りあげられた伝統の中で実際に生活していたのです。

 しかし高度経済成長などにより共同体の結びつきは薄れ、加須良の伝統的な暮らしは徐々に壊れていったのです。福永氏が初めて取材した1965年夏には村は高齢化や医療問題などに深刻に揺れていました。若者たちは街へ生活を求め、老人と子供たちがかろうじて残った伝統の中で暮らしていました。しかしついに1968年秋に全戸が村を離れ、無人となった家は朽ち、村は自然に回帰していったのです。

 現在の加須良には合掌造りの家も無く村人もいません。しかし福永氏の写真の中の村には、豊かな自然と共に暮らす活き活きとした人間の姿があります。自然を尊厳し伝統から知恵を授かり生きていることの素晴らしさを、氏の作品から感じ取っていただきたいと思います。

 今回の作品展では、立派なたたずまいで建つ合掌造りの家、その中で養蚕をする風景、おめかしをしてどぶろく祭を楽しむ子供たち、囲炉裏を囲んで談話する家族、そして廃村となった加須良の姿など、加須良の人々の生活に見る日本の生活文化を捉えた作品約80点(全作品モノクロ)を展示します。

福永 一興(ふくなが いっこう)
1944年静岡県生まれ。1964年多摩美術大学卒業後吉井伸哉、今井滋氏に師事。1969年フリーの後、㈱フォトオフィスプラスワン入社。1984年「日本現代写真史展1945~1980」中国展の派遣団に参加。主な写真展に「カケフ31を撮る」「The Shadow」など。1994年から1995年にかけて開催された個展「紙印画」「紙印画PartⅡ」「ファイナル紙印画」は雑誌等でとりあげられ注目を集めた。日本写真家協会会員、新多摩芸術写真協会会員、日本写真協会会員。日本写真芸術専門学校講師、代官山フォトサロン講師。写GIRL審査委員。

タイトル

福永一興作品展「山峡の村 加須良 1965~1971」

開催期間

2000年2月1日(火)~2月27日(日)

展示内容

立派なたたずまいで建つ合掌造りの家、その中で養蚕をする風景、おめかしをしてどぶろく祭を楽しむ子供たち、囲炉裏を囲んで談話する家族、そして廃村となった加須良の姿など、加須良の人々の生活に見る日本の生活文化を捉えた作品約80点(全作品モノクロ)を展示。

展示点数

約80点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。