写真展

~幕末・明治の写真展~ フェリーチェ・ベアトが見た日本 Part1

開催期間:2013年8月6日(火)2013年9月8日(日)
「駕籠かき」  明治5年(1872) 鶏卵紙
駕籠に乗っているのは、アメリカ人旅行家ロングフェロー(左)とジェサップ(右)

 JCIIフォトサロンでは、古写真シリーズの25回目として、来る2013年8月6日(火)から9月8日(日)まで、「~幕末・明治の写真展~ フェリーチェ・ベアトが見た日本 Part1」を開催いたします。

 1832年にイタリアのヴェネツィアで生まれたと言われているフェリーチェ・ベアトは、1844年からコンスタンティノープル(現・イスタンブール)で育ち、彼の妹レオニルダ・マリア・マチルダが結婚した写真家のジェームス・ロバートソンから写真の技術を学んだとされています。

 1855年にロバートソンがクリミア戦争に従軍することになり、ベアトも助手として同行し、撮影を行いました。このクリミア戦争は、初めて本格的に写真で記録された戦争として知られています。その後ベアトは、1858年にインドに向かい、セポイの反乱と呼ばれたインド大反乱(第一次インド独立戦争)の戦跡を撮影し、1860年にはイギリス軍に従軍して中国で第二次アヘン戦争の戦跡を撮影しました。それまでの写真家が写すことのなかった遺体をも写したベアトの写真は、戦争の悲惨さをリアルに伝える力を持っていました。

 従軍先の中国で、『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』の特派員で画家のチャールズ・ワーグマンと知り合ったベアトは、一足先に来日していたワーグマンを頼って、文久3年(1863)に来日し、明治17年(1884)まで約20年間日本に滞在しました。

 当時の外国人は自由に日本国内を撮影することは難しかったため、開港地の横浜や長崎での撮影が多かったのですが、ベアトは来日した使節団などに同行して日本各地をまわることができ、風景だけでなくさまざまな階層や職業の人々の風俗も撮影しました。ベアトのように長期にわたって日本に滞在し、数多くの写真を残した写真家はほとんどおらず、彼の確かな技術による鮮明な画像の大判写真は、幕末の日本の様子を現在に伝えてくれる貴重な資料でもあります。

 今回は当館所蔵のベアト作品の中から、前編として、来日した外国人向けのお土産として販売されたアルバムを中心に、ベアトが得意としたパノラマ写真5枚を含む、約90点を展示いたします。

 江戸の街並みや、明治5年(1872)に完成した横浜駅の様子、外国人が行くことを許されていた横浜周辺の遊歩区域や東海道、開港地である神戸や長崎などの日本各地の美しい風景と、当時の日本人の風俗、そして、かつての街並みをドラマチックな視覚効果で伝えてくれるパノラマ写真の数々をお楽しみいただきます。

★この展示に合わせて、古写真収集家の石黒敬章氏をお招きし、古写真研究家(日本カメラ博物館)の井桜直美氏とのトークショー「フェリーチェ・ベアトを語る」を2013年8月31日(土)に開催いたします。ぜひご参加ください!

フェリーチェ・ベアト (Felice Beato)
1832年イタリア・ヴェネツィア生まれと言われる(諸説あり)。1844年からコンスタンティノープル(現・イスタンブール)にて育つ。文久3年(1863)に来日し、横浜の居留地に写真館を開業。日本各地の風景や、人々の風俗を多数撮影した。明治10年(1877)に写真館をスティルフリード&アンダーソンに売却。明治17年(1884)に日本を離れ、アフリカやビルマに滞在。1909年1月29日、フィレンツェにて逝去。


タイトル

~幕末・明治の写真展~ 「フェリーチェ・ベアトが見た日本 Part1」

開催期間

2013年8月6日(火)~9月8日(日)

展示内容

フェリーチェ・ベアト(Felice Beato)は1832年にイタリアのヴェネツィアで生まれ、1844年からコンスタンティノープル(現・イスタンブール)で育ち、義理の兄弟の写真家・ジェームス・ロバートソンから写真技術を学んだと言われている。
クリミア戦争、第一次インド独立戦争、第二次アヘン戦争などの戦跡を撮影し、文久3年(1863)に来日。明治17年(1884)まで約20年間日本に滞在して、日本各地の風景や人々の風俗を撮影した。
彼のように長期にわたって日本に滞在し、数多くの写真を残した写真家はほとんどおらず、彼の確かな技術による鮮明な画像の大判写真は、幕末の日本の様子を現在に伝えてくれる貴重な資料でもある。
今回は当館所蔵のベアト作品の中から、前編として、来日した外国人向けのお土産として販売されたアルバムを中心に、江戸の街並みや、明治5年(1872)に完成した横浜駅の様子、外国人が行くことを許されていた横浜周辺の遊歩区域や東海道、開港地である神戸や長崎などの日本各地の美しい風景と、当時の日本人の風俗、そして、ベアトが得意としたパノラマ写真5枚を含む、約90点を展示。

展示点数

約90点

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

日本カメラ博物館YouTube公式チャンネル

明治初年から明治18年以前に東京の名所を撮影した写真がまとめられている、当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖をベースに、古地図や幕末・明治の写真おり交ぜながら井桜直美研究員が現在の様子と比べて紹介するシリーズ「東京百景」は、日本カメラ博物館YouTube公式チャンネルでご覧になれます。

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル 交通機関
  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」 半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。