写真展

古写真に見る明治の東京― 「牛込区・小石川区・本郷区編」

開催期間:2013年2月5日(火)2013年3月10日(日)
順天堂医院 鶏卵紙 54×86 mm

 JCIIフォトサロンでは、古写真シリーズの24回目として、来る2013年2月5日(火)から3月10日(日)まで、「―古写真に見る明治の東京― 牛込区・小石川区・本郷区編」を開催いたします。今回は、2009年から開催し、好評をいただいた「皇城(江戸城)・麹町区編」 「神田区・日本橋区編」 「京橋区編」 「芝区・麻布区・赤坂区編」 「浅草区編」に続く第6弾で、当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖の中の「牛込區之部」、「小石川區之部」、「本郷區之部」より、約60点を展示いたします。

 明治11年(1878)に施行された郡区町村編制法による15区6郡制で制定された「牛込区」は、昭和22年(1947)に隣接する「四谷区」、「淀橋区」と合併して現在の「新宿区」となり、「本郷区」と「小石川区」は同年に合併し、現在の「文京区」となりました。

 外堀沿いの外側に位置するこれらの地区には、江戸時代に幕府から広大な敷地を拝領した尾張藩徳川家と水戸藩徳川家の上屋敷や中屋敷、下屋敷などがありましたが、それらの屋敷は明治期に入ると政府に接収され、牛込区の市ヶ谷にあった尾張藩の上屋敷は陸軍士官学校(現在は防衛省)、下屋敷は陸軍学校(現在は戸山公園)に、小石川区の後楽園がある水戸藩の上屋敷は兵器を製造する砲兵工廠(現在は東京ドーム)となりました。江戸時代に造られ た名園とされる庭園の一部を残して、日本の軍事の近代化を目指す施設が置かれたのです。写真帖の中には、砲兵工廠を建設中の様子が写された写真が多くあります。新しく建てられた西洋建築との間には、かつての優雅さを失った上屋敷の一部が写されており、まるで取り壊されるのを静かにまっているかのようにも見えます。

 また、本郷区の写真には、明治8年(1875)に移転してきたばかりの順天堂医院(現在の順天堂大学医学部附属順天堂医院)や、欧米に倣った教育を始めるために武家屋敷跡に造られた東京大学、昌平坂学問所があった湯島聖堂の敷地には東京師範学校(筑波大学の前身)や東京女子師範学校(お茶の水女子大学の前身)、そして日本に最初に出来た幼稚園(お茶の水女子大学附属幼稚園の前身)などが写されています。

 学問の街である一方で、本郷区の根津神社の東側(現在の根津1丁目と2丁目)には根津遊郭も存在しました。江戸時代に造られ幕末期に一旦廃止となりましたが、明治になると新政府によって再び営業を許可され、とても栄えていたようです。しかしその後、近くに東京大学ができたため、生徒の風紀を乱すとの理由で明治21年(1888)に洲崎(現在の江東区東陽町)に移転させられました。今回展示する写真には、移転前の根津遊郭の繁盛している様子が写されています。

 このほか、牛込区の市谷亀岡八幡宮や築土神社、赤城神社、小石川区の護国寺や伝通院、本郷区の湯島天神や根津神社などを含め、明治4年頃(c1871)から明治20年代頃までに撮影されたものと思われる当時の街並みをご覧頂きます。

★この展示に合わせて、古写真収集家の石黒敬章氏をお招きし、古写真研究家(日本カメラ博物館)の井桜直美氏とのトークショー「”古写真に見る明治の東京”を語る Part6」を2013年2月16日(土)に開催いたします!是非ご参加ください。(※要電話予約) ←終了しました

タイトル

―古写真に見る明治の東京― 牛込区・小石川区・本郷区編

開催期間

2013年2月5日(火)~3月10日(日)

展示内容

2009年から開催し、好評を博した「皇城(江戸城)・麹町区編」「神田区・日本橋区編」「京橋区編」「芝区・麻布区・赤坂区編」「浅草区編」に続く第6弾。明治11年(1878)に施行された郡区町村編制法による15区6郡制で制定された「牛込区」は、隣接する「四谷区」、「淀橋区」と合併して現在の「新宿区」となり、「本郷区」と「小石川区」は、同年に合併して現在の「文京区」となった。
徳川家の広大な屋敷が明治政府に接収されて陸軍士官学校や砲兵工廠へとなっていく様子や、東京大学、東京師範学校、東京女子師範学校など、建てられたばかりの欧米に倣った近代的な学校、幕末に一旦廃止になったが明治に入って一時的に復活し賑わっていた根津遊郭や、今も人々が集う護国寺や湯島天神、根津神社など、当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖より、約60点を展示。

展示点数

約60点

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

日本カメラ博物館YouTube公式チャンネル

明治初年から明治18年以前に東京の名所を撮影した写真がまとめられている、当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖をベースに、古地図や幕末・明治の写真おり交ぜながら井桜直美研究員が現在の様子と比べて紹介するシリーズ「東京百景」は、日本カメラ博物館YouTube公式チャンネルでご覧になれます。

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル 交通機関
  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」 半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。