特別展

– 諜報部員(スパイ)が愛したカメラ – 極小型カメラ展

開催期間:2002年11月19日(火)2003年4月6日(日)
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「エッ! これ全部カメラ ?」
小さな身体に大きな夢と魅力が満載の極小型カメラたち

 日本カメラ博物館(館長:森山 眞弓 (財団法人日本カメラ財団理事長))では、来る平成14(2002)年11月19日(火)から15(2003)年4月6日(日)までの期間、特別展「- 諜報部員(スパイ)が愛したカメラ – 極小型カメラ展」を開催いたします。

 「極小型カメラ」とは一般的に、「35ミリ判フィルムを使用する『小型カメラ』よりも小さなカメラ」を指して用いられています。
 最初の「極小型カメラ」は、写真が発明された1839(天保10)年に登場した「シュタインハイル・グロッシェンカメラ」(レプリカと当時の紹介記事しか現存しません)といわれ、銀板写真の昔から感材のフォーマットの小型化によるカメラの小型化への試みがあったことがわかります。
 その後、小型映画用に1898(明治31)年に 17.5 ミリ、1923(大正12)年に 16 ミリ、9.5 ミリ幅のフィルムが登場し、それらの映画用フィルムを使用するスチルカメラの「極小型カメラ」も本格的に登場してきました。
 そして、第二次世界大戦が始まる直前の1937(昭和12)年、ラトビアの首都、リガで「ミノックス」が登場。この 9.5 ミリ幅フィルムのカメラは、開発に携わった技術者達の運命も含めて、時代の波に翻弄されながら現在に至る「極小型カメラ」の代表格です。
 また、敗戦後の日本で製造された「極小型カメラ」たちは、カメラとしてはもちろんクリスマスツリーのアクセサリー(!?)としても海外とりわけ米国を最大の輸出市場として外貨を稼ぎ、疲弊した日本経済を救いました。

 さらに、ライター、ステッキ、時計、ピストル、指輪、ラジオにと、さまざまな形態を持っているのも「極小型カメラ」たちの特長の一つです。
 スパイカメラとして使用されたものも多くあり、これらを新たに設置する「スパイ & ディテクティブカメラコーナー」に展示いたします。

 このように「極小型カメラ」は、カメラを玩具やアクセサリー的に縮小するだけではなく、小型・軽量で携行性に優れたカメラを求めた人々の願望、「ここまでカメラを小さくすることができる」という設計者や技術者の挑戦など、色々な思いが込められているのです。


● 展示予定機種(その一部をご紹介)

「ミゼット」秋田製作所(日本)昭和12(1937)年
「グッチー」アース光学(日本)昭和13(1938)年
「マイクロ(戦後型)」三和商会(日本)昭和24(1949)年
 日本を代表する極小型カメラの「御三家」とも言われる 3 機種。
 歴史的には「ミゼット」が一番古い。「グッチー」は「ミゼット」や「マイクロ」より幅広のフィルムを使用し、撮影画面が少し大きくなっている。

「ミノックス (リガ・ミノックス)」 バルスツ電気(ラトビア)1938(昭和13)年
 ラトビアの首都リガにあったバルスツ電気の技師であった ワルター・ザップ(Walter ZAPP)らが開発・製造したといわれる極小型カメラの代表的存在。
 旧ソ連邦のラトビア侵略を契機に、第二次世界大戦後は生産拠点はドイツに移行し、現在でも後継機がドイツ(と日本)で製造されている。

「ぺタル」ペタル光学(日本)昭和23(1948)年
 円形のフィルムを使用し、フィルムを回転させて花弁状に撮影する。発売当初は輸出用。
 円形のほか、八角形をした通称「八角ペタル」、ライターに組み込まれた「ペタル・ライターカメラ」、名称が異なる「エバラックス」がある。

「エコー 8」鈴木光学(日本)昭和26(1951)年
 いまも世界中の人々を魅了し続ける現代のおとぎ話、オードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペック共演の米映画「ローマの休日」に登場し重要な役割を担ったライター型のカメラ。
 このカメラ無くして感動のラストシーンは生まれなかったと言っても良い。

「SHARAN」メガハウス(平成14(2000)年から現・シャラン)(日本)平成12(2000)年
 「SHARAN」は往年の名機を基に、それらを製造したメーカーから承諾を得て極小型カメラにデザインを継承。発売以来、色々なモデルが登場し、専門に収集するコレクターも増えている。
 現在の「ミノックス」と同じカートリッジ入りの 9.5 ミリ幅フィルムを使用。

※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。

 

● 講演会&フロアレクチャー「極小型カメラのあゆみ」

 この特別展開催にあわせ、11月24日(日)に日本カメラ博物館運営委員、島 和也(しま かずや)を講師に、講演会とフロアレクチャー
「極小型カメラのあゆみ」(500 円 (日本カメラ博物館友の会会員は無料))
の開催を予定しております(定員は50名、日本カメラ博物館にて直接、または電話((03)-3263-7110)にて受付)。

「極小型カメラのあゆみ」は、前半は会議室で「極小型カメラ」に関する講演会、後半は博物館の特別展展示スペースで実際に展示資料を解説……の二部構成です。
 展示の見方や展示内容の説明の後に、実際の展示品を観ながらのレクチャーは、来館者の方だけで見学されるよりも多くの情報を得られる良い機会と考えます。

 

● 「スパイ & ディテクティブカメラ」コーナー

 日本カメラ博物館では、特別展「極小型カメラ展」開催にあたり、新たに「スパイ & ディテクティブ* カメラ」コーナーを設置いたします。 *「ディテクティブ」:探偵、刑事の意
 このコーナーは、モニタに表示された16種のカメラの画像から、カメラを選んで、タッチパネルを押すと、DVD で音声と映像が流れ始め、そのカメラの概要を説明し、パネルに描いたカメラを隠し持っている人物のシルエットに、そのカメラの隠し場所を点滅して表示、引き続き、カメラ内部の構造等を説明……
という展示です。

  • 「フォトグラフィック・ハット」
    帽子の中に組み込むカメラ
  • 「フォト・クラバート」
    ネクタイの中に隠すカメラ
  • 「セプトン・ペン」
    万年筆型カメラ
  • 「フィジオ・ポケット」
    双眼鏡型カメラ
  • 「クレイ・ベストカメラ」
    上着のベストに隠すカメラ
  • 「チッカ」
    懐中時計型カメラ
  • 「ドリュー」
    拳銃型の国産カメラ
  • 「ペタル」
    円形フィルム使用の国産カメラ
  • 「クリューゲナー・ポケットブックカメラ」
    ブック型カメラ
  • 「べン・アキバ」
    ステッキに組み込んだカメラ
  • 「シュタイネック ABC」
    腕時計型カメラ
  • 「エルネマン・リング」
    指輪型カメラ
  • 「マッチボックス・カメラ」
    マッチ箱型カメラ
  • 「シガレットカメラ」
    煙草型カメラ
  • 「コカコーラ 缶カメラ」
    缶型の国産カメラ
  • 「エコー 8」
    ライター型の国産カメラ

を紹介しています。


タイトル

日本カメラ博物館特別展
「- 諜報部員(スパイ)が愛したカメラ – 極小型カメラ展」

開催期間

平成14(2002)年11月19日(火)~15(2003)年4月6日(日)

出品点数

カメラ:約150点

常設展等

新設コーナー「スパイ & ディテクティブカメラコーナー」
常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示
博物館展示スペースの一角を日本の各メーカーに提供する「日本カメラ新製品コーナー」も開催

図録販売

今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

  図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)および年末年始など当館が定める休館日

入館料

一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円

所在地

102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCII 一番町ビル(地下 1 階)

 

*文中の会社名、製品名は、各社の商標、登録商標です。
*文中の製品名は、各社の正式な社名、商号と必ずしも一致いたしません。