特別展

「世界のカメラ探訪 ~カメラを作ってきた国々~」

開催期間:2009年1月27日(火)2009年5月17日(日)

上から

「サンダーソン トロピカル」 1909(明治42)年 ホートン (イギリス)
ボディ木部を磨きだし仕上げとした「トロピカル・タイプ」と呼ばれる仕様は、工芸品のような精緻な工作が施され現在でも人気が高い。
「アルファ 2」 1963(昭和38)年 WZFO (ポーランド)
独特のデザインをした縦長のボディを持つ透視ファインダーカメラ。
「フォトスフェール 8×9」 1888(明治21)年 フランセーズ・ド・フォトグラフィー (フランス)
独自の半円型シャッターを持つごく初期の金属性カメラ。写真は精巧な装飾彫金が施された特別モデル。
「コンパス」 1938(昭和13)年 製造:ジャガー・ルクルト (スイス) 販売:コンパス・カメラ (イギリス)
コンパクトな金属ボディに連動距離計、光学式露出計、フィルター内蔵など、非常に多くの機能を装備した機種。
「ミクロマ」 1949(昭和24)年 メオプタ (チェコスロバキア)
16ミリフィルムを使用して11×14ミリの画面サイズで撮影を行う極小型カメラ。
「ルクシアⅡ」 1949(昭和24)年 C.O.M.I. (イタリア)
35ミリフィルムに公称18×24ミリの「ハーフサイズ」で撮影が可能な小型の透視ファインダーカメラ。
写真はゴールド仕上げモデル。

日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、来る2009年1月27日(火)から5月17日(日)まで、特別展「世界のカメラ探訪 ~カメラを作ってきた国々~」を開催します。

今から約170年前の1839(天保10)年にフランスで誕生した銀塩写真術は、特許公開以後急速な勢いで全世界へと普及しました。同時に「カメラ」も主として木工製品の技術を反映したイギリスで発展を遂げました。やがてカメラのボディ素材が金属へと移行するにつれ、大量生産方式を確立して写真産業を世界的規模で大きく発展させたアメリカや、数多くのカメラ・光学機器メーカーが存在し、小型精密カメラを中心に長きに渡り世界のカメラ界をリードし続けたドイツが世界的なカメラ生産国となりました。また1960年代になると「35ミリ一眼レフカメラ」の技術進化および機構の電子化を確立した日本が世界的なカメラ生産国となります。また今日主流を占めているデジタルカメラを製品化したのも日本であり、現在に至るまで日本のカメラメーカーは世界の写真産業においてたいへん重要な役割を果たしています。

しかしこれら主要生産国の一方で、高度な水準を持つ時計生産技術をカメラ機構に反映して精密な製品を作り上げたスイス、16ミリフィルムを使用する極小型カメラから35ミリ一眼レフカメラまで幅広い種類のカメラを生産していたイタリア、社会体制の違いに伴って世界的なカメラ発展の流れとは異なる独自の発展を遂げていた旧ソ連や中国、同様にカメラ生産国として長らく知られざる存在であったチェコスロバキア、35ミリ一眼レフカメラ発展の初期に重要な役割を果たしていた旧東ドイツやハンガリー、極小型カメラの代名詞である「ミノックス」を生んだラトビア、プロ向け中判一眼レフカメラとして知られる「ハッセルブラッド」の本拠地があるスウェーデンなど、一般的にはカメラ・光学機器・写真感光材料の生産国としてあまり知られていなかった国や地域が多く存在します。

今回の特別展では、カメラが生まれたフランスやその後に続くイギリス、ドイツ、アメリカなどカメラ・写真感光材料の主要生産国として広く知られている国以外にも、イタリア、スイス、チェコスロバキア、旧ソ連、中国などヨーロッパ・アジアを中心に約20の国や地域で生産されてきたカメラ等を通して、写真・カメラに対する様々な趣向や文化の違いを紹介いたします。


● 展示予定機種より

フランスのカメラ
「フォトスフェール 8×9」 1888(明治21)年 フランセーズ・ド・フォトグラフィー (写真)
金属製ボディを持つカメラとしてごく初期の製品。基本的な設計を流用したステレオ写真用のモデルや外装に彫金を施した特別仕様のモデル(写真)も製作された。シャッターは独自の半円形構造を持つ。

イギリスのカメラ
「サンダーソン トロピカル」 1909(明治42)年 ホートン (写真)
レンズアオリ機構などを備えて組立暗箱に迫る操作性と優れた携行性を備えた機種。ボディ木部を磨きだし仕上げとした「トロピカル・タイプ」と呼ばれる仕様は、工芸品的な生産方式による精緻な工作が施されており現在でも人気が高い。

ドイツ連邦共和国(西ドイツ)のカメラ
「フォクトレンダー ベッサマチック」 1959(昭和34)年 フォクトレンダー
セレン光電池による露出計を備えたレンズシャッター式一眼レフカメラ。専用交換レンズに世界最初のスチルカメラ用ズームレンズとなる「ズーマー」が用意されていた。

イタリアのカメラ
「ルクシアⅡ」 1949(昭和24)年 C.O.M.I. (写真)
35ミリフィルムに公称18×24ミリの「ハーフサイズ」で撮影が可能な小型の透視ファインダーカメラ。クローム外装のモデルに加えてゴールド仕上げのモデル(写真)も用意されていた。

スイスのカメラ
「コンパス」 1938(昭和13)年 コンパス・カメラ (写真)
コンパクトなボディに連動距離計、光学式露出計、フィルター内蔵など、非常に多くの機能を装備した機種。感光材料もシートフィルムとロールフィルムを選択して使用できる。発売元はイギリスの会社であったが、製造はスイスの時計メーカーであるジャガー・ルクルトが担当した。

スウェーデンのカメラ
「ハッセルブラッド500C」 1957(昭和32)年 ビクター・ハッセルブラッド
画面サイズ60×60ミリのレンズシャッター式一眼レフカメラ。ファインダーやフィルムマガジンなどの撮影アクセサリーが数多く用意されプロ向け中判一眼レフカメラとして不動の位置を占めた。シャッター速度は最速1/500秒。

オーストリアのカメラ
「アムレッテ」 1925(大正14)年 オーストリア電信電話会社(O.T.A.G.)
35ミリ映画用フィルムを使用し、24×32ミリの画面を50枚撮影可能。レンズは固定焦点の35ミリF6.3、シャッター速度は1/25~1/100秒。ボディ素材にはアルミ合金を採用。

スペインのカメラ
「シルーロ水中カメラ」 1960(昭和35)年頃 ネムロッド
水深40メートルまでの耐水性を持つ水中撮影用カメラ。水圧に耐えるため、レンズ上部のバルブから内部に圧縮空気を注入する。ボディ素材には特殊プラスチックを採用。

ドイツ民主共和国(東ドイツ)のカメラ
「ペンティⅡ」 1960(昭和35)年 ペンタコン
35ミリフィルムをダブルマガジン方式で使用する透視ファインダーカメラ。セレン光電池による露出計を内蔵している。画面サイズは公称18×24ミリの「ハーフサイズ」を採用。

ポーランドのカメラ
「アルファ2」 1963(昭和38)年 WZFO (写真)
独特のデザインをした縦長のボディを持つ透視ファインダーカメラ。ダークブルー・ライトブルー・レッドなどのカラーバリエーションモデルが用意されていた。

チェコスロバキアのカメラ
「ミクロマ」 1949(昭和24)年 メオプタ (写真)
16ミリフィルムを使用して11×14ミリの画面サイズで撮影を行う極小型カメラ。レンズは20ミリを装着。後にステレオ撮影用のモデルも発売された。

ハンガリーのカメラ
「デュフレックス」 1948(昭和23)年 ガンマ
世界で最初に「クイックリターンミラー機構」を採用した35ミリ一眼レフカメラ。24×32ミリの画面サイズを持ちレンズ交換も可能。またレフレックスファインダーのほかに透視ファインダーも備える。

ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)のカメラ
「キエフ10 オートマット」 1965(昭和40)年頃 アルセナル
正確な年月は不明だが世界最初、または2番目に自動露出(AE)機構を採用した一眼レフカメラ。他に類を見ない扇形走行構造のフォーカルプレンシャッターを備える。

ラトビアのカメラ
「ミノックス」 1938(昭和13)年 バルスツ電気
9.5ミリフィルムを使用して8×11ミリの画面サイズで撮影を行う極小型カメラ。最速1/1000秒のシャッターを備えている。ボディ素材にはステンレスを採用。生産国ラトビアの首都・リガの名を取って「リガ・ミノックス」とも呼ばれる。

中華人民共和国(中国)のカメラ
「海鴎4A」 1966(昭和41)年頃 上海照相機廠
ドイツの「ローライコード」シリーズに範を取った二眼レフカメラ。各部改良や普及モデルの開発などバリエーション展開を行いながら現在に至るまで長期に渡り生産されている。

アメリカのカメラ
「ポラロイド ランドカメラ95」 1948(昭和23)年 ポラロイド
同社のエドウィン・ランドが発明したインスタント写真システムに対応した最初の機種。「ピクチャーロール」と呼ばれる感光材料を使用し、色調はセピアのモノクロ画像であった。蛇腹を使用する折りたたみ式。

 
※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。


タイトル

日本カメラ博物館特別展
「世界のカメラ探訪 ~カメラを作ってきた国々~」

開催期間

2009年1月27日(火)~5月17日(日)

出品点数

カメラ:約250点(予定)、その他ムービー、レンズ、アクセサリー、資料等

常設展等

常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
ゴールデンウィーク期間中は開館

入館料

一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。