特別展

「ゼンザブロニカ展 ~ゼンザブロニカD型からブロニカRF645まで~」

開催期間:2010年11月30日(火)2011年3月27日(日)

好評につき会期延長!

日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、2010年11月30日(火)から常設展示スペースの一部を使用し、特別展示コーナー「ゼンザブロニカ展 ~ゼンザブロニカD型からブロニカRF645まで~」を設けております。当初は12月26日(日)までの予定でしたが、好評につき2011年3月27日(日)まで会期を延長します。

「ゼンザブロニカ」の創業者・吉野善三郎は、1911(明治44)年1月、東京に生まれました。家業であった米穀店を経営し、戦中の食料統制後は食料公団参事、運送会社設立を経て、1946(昭和21)年「新光堂写真機店」を東京・神田で創業しました。翌年にはシガレットケースやコンパクトを製造する「新光堂製作所」を東京・板橋に設け、製造販売を開始します。

本業のかたわら、熱心なカメラ愛好家として知られていた吉野は、自ら理想とする「夢のカメラ」を作るべく1952(昭和27)年から私財を投じてカメラ開発をスタートします。
試作第1号機が完成した1956(昭和31)年には「ブロニカカメラ株式会社」を設立し、1959(昭和34)年、国内では初の本格的6×6cm判一眼レフカメラ「ゼンザブロニカ(D)」を発売します。18:8ステンレスのボディに、降下式レフレックスミラーや最高速度1/1250秒のフォーカルプレンシャッターなどの独創的機能や、ライトグレーの美しい外観などが国内外で大きな反響を呼び、カメラメーカーとしての第一歩をみごと成功させました。
以降、より完成度を高めた「ゼンザブロニカS2」(1965)や、1960年代中頃から到来した電子化に対応した電子シャッター採用の「ゼンザブロニカEC」(1972)、画面サイズ4.5×6cmの「ゼンザブロニカETR」(1976) などを発売し、プロユースからハイアマチュアに向けたカメラメーカーとして確固たる地位を築きます。

1988(昭和63)年11月23日、吉野善三郎が逝去。1995(平成7)年7月にはレンズメーカーである株式会社タムロンの資本参加により同社のグループに入ります。2000(平成12)年にはレンズ交換式レンジファインダーカメラの「ブロニカRF645」を発売しましたが、2005(平成17)年10月、惜しまれつつも「ブロニカ」ブランドのカメラ事業は終了しました。しかし、吉野善三郎の挑戦と独創的なカメラの数々は、その逸話とともに色褪せることなく、誕生から半世紀が経った現在でも多くのユーザーに愛され続けています。

今回の特別展示コーナーでは、ゼンザブロニカD型から最終モデルのブロニカRF645までのほとんどの歴代レギュラーモデルを展示するほか、D型試作機3台、当初採用が予定されていたオリンパス製Fズイコー75ミリF2.8標準レンズ、限定モデルなど、普段は見ることができない希少な資料のほか、ブロニカのもうひとつの主要事業であったガスライターも展示しています。


■展示機種より

「ゼンザブロニカ(D)試作機」(3台展示)
1959(昭和34)年頃
120フィルム 6×6センチ判
希少な「ゼンザブロニカ(D)」量産試作モデル。距離スケールや望遠レンズ使用に対応した外側マウントがないなど、細部が量産製品と異なる。今回は3台を展示(うち2台は株式会社タムロン所蔵、則武豊氏所蔵)。

「ゼンザブロニカ(D)」
1959(昭和34)年12月
120フィルム 6×6センチ判
「ゼンザブロニカ」最初の製品。画面サイズ6×6センチ判のフォーカルプレン式一眼レフカメラ。降下式レフレックスミラーや、距離調節とフィルム巻上げを兼用する大型ノブ、最速1/1250秒のフォーカルプレンシャッターなど意欲的な機能を多く採用した。

「ブロニカRF645」
2000(平成12)年11月
120・220フィルム 4.5×6センチ判
プログラムAE機構を備えた画面サイズ4.5×6センチ判の距離計連動式透視ファインダーカメラ。レンズ交換が可能で標準65ミリのほか45ミリと135ミリが用意されていた。「ブロニカ」最後の製品。

「Fズイコー 75ミリ F2.8」
製造年不詳
オリンパス光学工業(現・オリンパス)製のレンズ。「ゼンザブロニカ(D)」は当初このレンズを採用することで開発が進んでいたが、最終的には日本光学工業(現・ニコン)製の「ニッコール」レンズを採用した。

「ブロニカ透明ガスライター」
1960(昭和35)年頃
液化ガス室をアクリルの透明樹脂で仕上げたことにより「見えるガスライター」として大きな話題を集めた製品。(則武豊氏所蔵)

「ブロニカUV」(ガスライター)
1962(昭和37)年
ロケット型の卓上ガスライター。点火は乾電池を使用したヒーターにより行う。パッケージはカメラアクセサリーと同様に赤と黒のデザインが施されている。和光製作所が持ち込み販売要請を受けた製品。設計者の新田氏は後に100円ライターをヒットさせ㈱東海社長となった。(則武豊氏所蔵)


※ここに記載した資料は展示品の一部です。


タイトル

「ゼンザブロニカ展」~ゼンザブロニカD型からブロニカRF645まで~

開催期間

2010年11月30日(火)~2011年3月27日(日)

出品点数

ゼンザブロニカの歴代レギュラーモデル、限定記念モデル、希少なD型試作機(3台)などカメラ 約30点のほか、ブロニカ製ライター、カタログなど、計40点以上の資料を展示。

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)

入館料

一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。