特別展

「イギリスカメラ展」

開催期間:2015年9月15日(火)2015年12月20日(日)

王国の気品 マホガニー&ブラス

★シルバーウィーク期間を含む9月15日(火)~9月27日(日)は休まず開館

★11月7日(土)のみ午後12時~5時開館(ビル設備点検のため)

協力
英国王立写真協会、英国国立メディア博物館
コバヤシヤスヒト フォトグラフィック コレクションズ(KYPC)

後援
駐日英国大使館

後援:駐日英国大使館

イギリスカメラ展
(左上)「サンダーソン トロピカル」 
1909(明治42)年 ホートン&サン
(右上)「ダルメヤー ステレオカメラ」 
1860(万延元)年 J.H.ダルメヤー
(左下)「ソホレフレックス トロピカル」 
1924(大正13)年 英国合同写真
(右下)「デヴォン マイクロテレスコープ」 
1910(明治43)年 F.ダヴィッドソン

【英国外で初】 写真発明者のひとり、タルボットが使用したカメラを展示

日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、2015年9月15日(火)から12月20日(日)まで、特別展「王国の気品 マホガニー&ブラス イギリスカメラ展」を開催します。

写真発明者のひとりであるイギリス人のウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットは、1830年代にネガティブ画像からポジティブ画像を得る写真作製技法「カロタイプ」を発明しました。この「ネガ・ポジ方式」は、銀塩写真で画像を得るための方法として、現在でも使われています。その後に続く「湿板」や「乾板」※もイギリス人の手によって発明されており、イギリスは写真のはじまりから発展、普及に大きな役割を果たしていました。

またこの時代、19世紀半ばから20世紀前半にかけてのイギリスには、カメラやレンズの製造を手掛けるメーカーも多く存在しており、“マホガニー&ブラス”と称されるように、美しい木材(マホガニー材など)や真鍮(しんちゅう=ブラス)を使用したイギリス伝統の高級家具を思わせる、麗しさと合理的な機能性を兼ね備えたカメラが作られました。

本特別展では、日本カメラ博物館収蔵資料のほか、イギリス製カメラのコレクターである小林泰人氏の個人コレクションも加えて構成し、写真界を牽引したイギリスの役割を紹介するとともに、湿板、乾板期に製造されたイギリスのカメラを中心に、戦後の普及型カメラまで、イギリス製カメラの数々を展示します。

そして今回の展示には、英国王立写真協会・英国国立メディア博物館が所蔵している、写真発明者のひとりであるタルボットが実験に使用したカメラが初めて英国の外に出て展示されることとなりました。

タルボットが1835年にレイコック修道院の風景の撮影に成功した機材が、180年の時を経てイギリスを離れ、世界のカメラ産業界の中心である日本で展示されることは、日英両国の写真産業はもちろんのこと、文化的交流においても大きな意義を持つものになると考えております。


湿板:ベースとなるガラス板に撮影直前に感光性のある薬品を塗布し、湿っている間に撮影と現像を行う。1851年アーチャー(英)が発明。
乾板:湿板同様ガラス板ベースだが乾いた状態で保存、撮影が可能。感度が上がり、大量生産も可能となる。1871年マドックス(英)が発明。


British Camera exhibition

(Until 20 DECEMBER)

Now we open as special British Camera exhibition showing the dignity of the United Kingdom through it’s cameras made of mahogany and brass,with the cooperation of The Royal Photographic Society, The National Media Museum, and Kobayashi Yasuhito Photographic Collections (KYPC), and the support of British Embassy Tokyo.
The history of British photography started with Mr. William Henry Fox Talbot, one of the photographic inventors, in the 1830’s. Many methods of photography were invented in the UK and played a big role in the starting, development, and popularization of photography.
Many of the most advanced photographic techniques introduced to Japan originated in the UK, and the cameras and the lenses produced there were objects of yearning for photographers at that time. Who would have thought the foundation of the camera industry in Japan started at that time would flourish into the success it is today.
In this exhibition, a camera entrusted to The National Media Museum in Bradford by The Royal Photographic Society, is displayed. This camera was actually used by Mr. Talbot and it is the first time for it to be shown outside the United Kingdom.
The camera with which Mr. Talbot succeeded in taking a photograph of Lacock monastery in 1835 has left the UK after 180 years, and is displayed in Japan which is now at the center of the international camera industry. I think this is very significant as a cultural exchange experience as well as a sharing of the photographic industry between the United Kingdom and Japan.

Please enjoy the exhibition.


展示予定機種より


■「オットウィル 湿板カメラ」 1853(嘉永6)年 トーマス・オットウィル
ルイス・キャロルも使用し、1856年の詩“Hiawatha’s Photographing” にも登場する二重折り畳み構造のカメラ。23×28センチの画面を撮影する大型のカメラだが、本体部分は平らに畳むことが可能で持ち運びに便利であった。このことから、この時代からカメラを外に持ち出して撮影する需要が高まっていたことがわかる。

■「ダルメヤー ステレオカメラ」 1860(万延元)年 J.H.ダルメヤー
当時最高とされたダルメヤーのレンズを2本装着したステレオカメラ。2本装着してステレオ撮影のほか、1本のレンズで横長の写真を撮影することも可能。このカメラにはフラップシャッターとコロジオン湿板用マガジン、コロジオン乾板用マガジンが付属している。

■「マッケレン トレブル・パテント」 1884(明治17)年 マッケレン
カメラを畳むときにレンズ前板部を底板側に畳みこむ、イギリス式の折り畳み式カメラの初期の製品。この方式は世界各国で模倣され、のちの写真館の出張撮影などで使用された「組立暗箱」の基本形式となる。

■「ソルントン=ピッカード デテクティブカメラ」 1890(明治23)年 ソルントン=ピッカード
乾板を内蔵するマガジンカメラも英国の特徴的なカメラのひとつ。組立暗箱や一眼レフカメラの製造で有名なソルントン=ピッカード社もマガジンボックスカメラを製造した。木肌そのままの外装が特徴的。

■「サンダーソン ジュニア」 1904(明治37)年 ホートン&サン
レンズとシャッターが装着された前板を持ち上げられるように、カメラの上部が開閉式になっている。この前板を動かす操作は、ピントの合う幅を調節したり、画面上の歪みを補正するために行われた。このような表現の拡大も当時の特徴。

■「ソホレフレックス トロピカル」 1924(大正13)年 英国合同写真
「ソホレフレックス」は通常は黒い革を全体に貼ったものが製造されていたが、高級モデルでは木材部にチークやマホガニーといった高級木材を使用し、金属は磨きあげた真鍮、赤い蛇腹を装着して、熱帯地方での使用でも温室度の影響を受けにくいことから「トロピカルモデル」と呼ばれた製品群が製造された。

■「エンサイン フルビュー」 1946(昭和21)年 バーネット・エンサイン
エンサインはもともとホートン社のブランド名。ガラス商から英国のダゲレオタイプのパテ
ントのエージェントとなり、1900 年代初頭から戦後にかけて多くのカメラ販売を手掛け、
高級機から普及機まで販売した。

■「ウィットネス」 1951(昭和26)年 イルフォード
流麗な外装をもつ距離計連動式、レンズ交換式のフォーカルプレンシャッター式35 ミリ
カメラ。1954(昭和29)年にはリード&シグリスト社から「ライカ」そのものといえる形状の
「リード」も製造された。

■「アジフラッシュ」 1959(昭和34)年 アジラックス
1936(昭和11)年に軍用品の生産のために創業されたアジラックス社は、戦後は「アジ
フォールド」などアマチュア向けのカメラを製造。「アジフラッシュ」はフラッシュ用ソケット
を内蔵した樹脂製の初級者向けカメラ。

■「コダック ブローニー127」 1965(昭和40)年 コダック・リミテッド
コダック・リミテッドはアメリカのイーストマン・コダックのイギリス法人として販売を手掛けて
いたほか、戦後は普及型カメラの製造を手掛けた。とくに1960 年代まで、1900 年以来の
「ブローニー」シリーズの名を冠したカメラを製造した。

(展示予定機種は変更される場合があります)

※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。


タイトル

日本カメラ博物館 特別展
「王国の気品 マホガニー&ブラス イギリスカメラ展」

開催期間

2015年9月15日(火)~12月20日(日)

★シルバーウィーク期間を含む9月15日(火)~9月27日(日)は休まず開館
★11月7日(土)のみ午後12時より開館(ビル設備点検のため)

展示品

写真発明者のひとりであるタルボットが使用した、1835年に写真を撮影したカメラ、通称「ねずみ捕り」(英国王立写真協会所蔵・英国国立メディア博物館寄託)をはじめ、高級家具を思わせる初期の美麗な木製カメラ、戦後の普及型カメラまで各種英国製カメラを展示。(展示点数約200点を予定)

展示協力
英国王立写真協会、英国国立メディア博物館(イギリス)、コバヤシヤスヒト フォトグラフィック コレクションズ(日本・個人)、東京大学史料編纂所、尚古集成館

後援 駐日英国大使館

関連イベント

日本カメラ博物館特別企画
湿板であなたのポートレイトを撮りませんか!

常設展等

常設展として世界最初の市販カメラ「ジルー・ダゲレオタイプカメラ」、「日本の歴史的カメラ」約300点、「ライカコーナー」、「カメラのおもちゃコーナー」、「カメラ体験コーナー」、「分解パネルコーナー」などを展示

図録販売

今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
★シルバーウィーク期間を含む9月15日(火)~9月27日(日)は休まず開館
★11月7日(土)のみ午前中は休館(ビル設備点検のため)

入館料

一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円

 

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。